三菱航空機、MRJの初飛行は基本特性の確認 主脚など一部は作動させず

三菱航空機、MRJの初飛行は基本特性の確認 主脚など一部は作動させず

ニュース画像 1枚目:MRJ 初号機
© 三菱航空機
MRJ 初号機

三菱航空機は2015年9月2日、10月後半に実施するMRJの初飛行に向けた開発状況、初飛行で行う試験内容を明らかにしました。

すでに6月に走行試験、全機振動試験を実施しており、7月から8月は1号機、2号機で試験のフィードバック改修や技術データの確認を行っています。また、試験飛行を行うアメリカでの準備も進め、ワシントン州シアトルにエンジニアリング・センターを開設、拠点空港とするモーゼスレイクでの格納庫の建設も進められています。日本では、名古屋空港の隣接地に量産機の最終組立工場の建設も計画通りに行われています。

初飛行に向けては、三菱航空機の社内審査会で安全性が認められた後、国土交通省の飛行前審査会を受審します。この社内審査会は、飛行許可取得に必要な提出文書を審査し、事前確認を行い、MRJの型式証明取得活動の一環として、飛行試験を実施するため法令に基づいた飛行許可を航空局から取得します。

飛行に向けては、すでに静強度試験で主翼上曲げ、胴体与圧などの試験を完了しており、構造強度上は初飛行が安全に行えることが確認されています。初飛行は上昇、下降、左右への旋回といった基本特性の確認が主な目的で、可動部のうち脚とフラップは固定、逆推力装置は作動させずに飛行します。この飛行はおよそ1時間を予定しています。

初飛行の後、飛行領域拡大のため、試験のフィードバック改修を計画的に実施していく予定です。飛行試験は、名古屋を拠点に実施し、日本では北九州をサブ拠点として用意しています。また、2016年第2四半期から第3四半期にかけてアメリカ・モーゼスレークに4機を移し、集中的に型式証明の取得に向けた試験を実施していきます。

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