イギリス政府は、2015年11月19日、高価な政府専用機の導入を断念し、空軍のボイジャー空中給油・輸送機(A330 MRTT)をVVIP(very very important person)機に改装することを決定しました。Reutersが報じています。
これまでイギリスの首相など政府高官や王族は、短距離の場合は空軍のBAe146などを使用し、長距離の場合は民間機をチャーターしていました。しかし、セキュリティーや通信などの面で問題があり、ブレア首相の時代には専用機の導入が前向きに検討されました。これはコストがかかりすぎることから「Blair Force One」などと呼ばれメディアから叩かれました。
そこで、デビッド・キャメロン政権は、空軍のボイジャーの1機を、約1,000万ポンド(18.8億円)かけて改装することにしました。キャビンはフルフラットになるビジネスクラス約58席を含む約158席の仕様となりますが、外装は予算削減のため空軍のグレーのままになりそうです。
とはいうものの、イギリスの首脳が来日する際には空軍のVC-10などが使われていた経緯がありますので、驚くべき事態ではありません。A330 MRTTのマルチロールのひとつにVVIP輸送も加えられそうです。