全国58空港の経営動向、2014年度は増収は40社 LCCや円安で売上増

全国58空港の経営動向、2014年度は増収は40社 LCCや円安で売上増

東京商工リサーチは2015年12月4日、「2014年度 空港ターミナルビル経営動向」調査を発表しました。全国の主な空港ターミナルビル経営会社58社の2014年度決算をまとめたもので、売上高は2,901億円と前年度より12.3%増となりました。調査対象の58社の半分程度が羽田空港の国内線を運営する日本空港ビルデングとなり、2位以下を大きく引き離しています。

増収は40社、減収は18社で、格安航空会社(LCC)の就航、円安を背景とした訪日外国人客の増加により、東京商工リサーチは各空港ビルにもこの恩恵が波及し、売上が伸びたと見ています。

売上高の増加率のトップは、県から空港ビル会社に移管された但馬空港ターミナルが前年度比55.0%増となったものですが、事業移管による補助金収入が前年度比6,187万円増となったことによるもので、燃料販売やテナント収入は前年並みでした。2位は37.9%増となった富士山静岡空港で、開港当初は就航路線の確保に苦労していましたが、空港から富士山が見える空港で、訪日観光旅行の人気ルート上にある空港として中国方面の定期便、チャーター便が増加し、利用客が大幅に伸びたとしています。

なお、経常利益率は、1位が壱岐空港ターミナルビルの57.6%がトップで、仙台空港ビルの33.6%が2位となっています。仙台空港はコンセッションで民間委託先が決まっています。調査対象のうち経常利益率20%以上が12社、10%台が26社で、10%以上の経常利益が約7割と、空港ビルの収益力は高いと東京商工リサーチでは評しています。

■売上高ランキング
1位:日本空港ビルデング(羽田空港国内線) 141,024,000千円 (19.2%)
2位:北海道空港(新千歳空港) 50,420,350千円 (6.6%)
3位:福岡空港ビルディング 21,016,268千円 (18.1%)
4位:大阪国際空港ターミナル(伊丹空港) 17,702,911千円 (1.9%)
5位:那覇空港ビルディング 8,105,266千円 (16.5%)
6位:長崎空港ビルディング 5,081,805千円 (3.0%)
7位:宮崎空港ビル 4,128,471千円 (-1.1%)
8位:函館空港ビルデング 2,704,330千円 (8.7%)
9位:鹿児島空港ビルディング 2,577,139千円 (-0.2%)
10位:大分航空ターミナル 2,568,604千円 (0.5%)

■経常利益ランキング
1位:日本空港ビルデング(羽田空港国内線) 7,691,000千円 (81.9%)
2位:福岡空港ビルディング 3,484,194千円 (22.8%)
3位:那覇空港ビルディング 2,441,678千円 (46.3%)
4位:大阪国際空港ターミナル(伊丹空港) 2,209,437千円 (80.0%)
5位:北海道空港(新千歳空港) 2,109,439千円 (108.2%)
6位:仙台空港ビル 632,328千円 (-3.0%)
7位:函館空港ビルデング 522,584千円 (8.4%)
8位:松山空港ビル 489,388千円 (2.0%)
9位:広島空港ビルディング 412,103千円 (42.3%)
10位:富士山静岡空港 371,000千円 (91.5%)

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