アメリカ海兵隊は、オアフ島の海兵基地(MCB)ハワイ内にある第二次世界大戦前に建設された飛行艇用のランプを、揚陸用ホバークラフト(LCAC)の施設として使用できないか調査中です。Military.comが2016年2月22日(月)付で報じています。
日本では「すべり」と呼ばれる水上機用のランプは、水上機を陸揚げするためのなだらかに水面に接する斜面です。MCBハワイ内のランプは、1939年に海軍が飛行艇基地として建設した時のもので、基地は海軍航空基地(NAS)カネオヘベイと呼ばれていました。
PBYカタリナ飛行艇用に建設されたランプは、160フィートの長さを持つものが5本あります。日本による真珠湾攻撃前に完成し、基地にはPBYが3個飛行隊36機が配備され、翼を接するように駐機していました。
PBYは哨戒・索敵に使われていたため、日本海軍は真珠湾攻撃で破壊し、その時の銃弾や爆撃の跡が残っています。アメリカ陸軍工兵隊はランプがLCACの運用に耐えるか調査を進めています。また、ランプより先の海底には攻撃で破壊されたPBYの残骸が眠っており、この戦争遺産を保存する必要性も指摘されています。
現在ハワイにはLCACが配備されていませんが、陸揚げする施設がカリフォルニア州のキャンプペンドルトンやノースカロライナ州のキャンプレジューヌ、沖縄などに限られることから、海兵隊ではハワイで利用したいと期待している模様です。
Google Mapでもエプロンから海底へ伸びるランプが確認できます。日本でも各地の旧海軍基地跡ですべりを見ることができます。