次期アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏は、更新が予定されている大統領専用機「エアフォース・ワン」について、「40億ドルを超えるコストは制御できない。発注はキャンセルだ!」とTwitterでコメントしました。
大統領専用機は、アメリカ空軍が運用しており、現行機のVC-25(747-200)2機は1990年から運用していますが、老朽化に伴い新しい機種として選定されました。大統領専用機の要件として、4発エンジンのワイドボディ機とされており、候補機はボーイングの747-8とエアバスのA380の2機種からの選定でした。
また、747-8をベースとした「エアフォース・ワン」は現在は発注段階ではなく、アメリカ空軍が導入方針を確定し、ボーイングと技術・製造開発(EMD)契約の交渉を進めている段階で、リスク低減契約を結んでおり、順次、購入や設計、機体改修、テスト契約などを結び、大統領専用機としてアメリカ空軍の基準を満たしていく段階にあります。
アメリカ空軍は、次期エアフォース・ワンの運用を30年間と計画しています。トランプ氏も自身で所有する757-200が1996年製造と20年を経過していますが、こうした運用経験から「エアフォース・ワン」の飛行機としての高額な費用にコメントしたのかもしれません。
ただし、「エアフォース・ワン」は「空飛ぶホワイトハウス」として単に地上との通信を確保するだけでなく、アメリカ軍の指示など厳重に秘密を確保する装備などさまざまな規定を満たすために高額な費用がかかっている面もあり、今後もトランプ次期大統領の発言からどうなるかが注目されるところです。
Boeing is building a brand new 747 Air Force One for future presidents, but costs are out of control, more than $4 billion. Cancel order!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2016年12月6日