JA55ANの2010年10月重大インシデント-管制はじめミス重なる

JA55ANの2010年10月重大インシデント-管制はじめミス重なる

運輸安全委員会は2012年1月27日、2010年10月26日にエアーニッポン運航の737-800型、機体番号(レジ)「JA55AN」の重大インシデントについて報告書をまとめました。

この重大インシデントは、中部発旭川線のANA325便で発生。比布山付近で2回にわたり対地接近警報装置が作動、最接近時は地表と200メートルから220メートルに近づいたもの。乗員乗客57名に負傷者はいませんでした。

報告書では対空席管制官の誘導ミスをはじめ、対空席管制官と調整席管制官の連携が不十分、また該当機の機長の管制との確認漏れ、機長と副操縦士のコミュニケーション不足を指摘、それらが重なって発生したとしています。

さらに、副操縦士が垂直状況表示(VSD)を使用し、山岳地帯への接近を認識していたものの、機長へ助言を行わず、管制官にも明確な確認がなかったとも指摘しています。

運輸安全委員会では最低誘導高度(MVA)より低い高度に降下させる管制指示を出した場合、または航空機がMVAより低い高度に降下した場合に管制官が気づく支援システムの導入を促進するよう意見を出しています。

全日空(ANA)ではこの調査結果を受け、独自調査を行い、管制官とのやり取り、運航乗務員間のコミュニケーションなどの改善に向けた再発防止に取り組み、再発防止に務める旨のコメントを発表しています。

メニューを開く