東京航空計器、防衛省の過大請求で違約金含む約70億円を国庫に納付

東京航空計器、防衛省の過大請求で違約金含む約70億円を国庫に納付

防衛省は2018年1月17日(水)、東京航空計器による過大請求事案について2017年2月27日(月)から特別調査を実施し、過払金分などの国庫への納入を確認したと発表しました。2017年2月のサンプル調査では、F-4向けの方位計、T-4向け酸素発生装置などで虚偽申告が確認されており、過払金は約26億円、延滞金として約6億円、さらに違約金が約38億円、合計で約70億円が国庫に収められています。

この事案は、東京航空計器が防衛省、防衛装備庁、さらに各自衛隊補給処、機体会社などと締結した防衛装備品の製造、修理に関連する契約で、過大請求が行われていたものです。東京航空計器が2017年1月、防衛装備庁に自発申告して発覚、防衛装備庁は特別調査を実施していました。また、同年3月に東京航空計器は社外の弁護士、公認会計士を委員に含む内部調査委員会を設置し、事実関係、原因の解明と再発防止策の策定を進めていました。

製造・修理に要する費用を構成要素ごとに積み上げた製造原価に適正な利益などを付加して計算、価格を算出する原価計算方式がほとんどの契約に適用されています。過大請求は、その製造原価を構成する加工費の算定する工数に不適切な調整を入れ、過大な金額で契約代金を確定、代金が請求されていました。

委員会の調査によると、過大請求は長年にわたるもので、利益のかさ上げや赤字回避などが主な要因とされています。また、特定の部門が主導しており、全社的な関与ではないとされています。

再発防止策として、企業風土の改善などに加え、コンプライアンス方針や法令順守について社員教育の実施や内部統制の強化、経営陣への監視体制の強化など、幅広く体制を見直しています。また、処分として代表取締役社長が月額報酬の30%が6カ月、その他の取締役が月額報酬の10%を3カ月、自主返上するほか、航空宇宙営業本部長を委嘱していた常務取締役、常勤監査役、執行役員の生産本部長が2017年6月16日付でそれぞれ退任しています。

東京航空計器は、関係者に「多大なるご迷惑、ご心配をおかけしたこと、改めて深くお詫び申し上げます。当社は、今後二度とこのような問題を起こすことがないよう全社一丸となって信頼回復に努めてまいります」と陳謝しています。

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