東レ、テンカーテ・アドバンスト・コンポジットを買収

東レ、テンカーテ・アドバンスト・コンポジットを買収

東レは2018年3月15日(木)、テンカーテ・アドバンスト・コンポジット・ホールディング(TCAC)の株式の取得で合意したと発表しました。合意書締結は3月14日(水)付で、TCACの全株式を取得することで、親会社のKoninklijke Ten Cate B.V.と合意しています。最終合意は、オランダのWorks Councilとの協議終了の後、株式譲渡契約の締結を予定しているほか、規制当局の承認取得などが前提です。

炭素繊維事業分野は、航空機や風力発電用風車翼をはじめ、環境・エネルギー関連用途が需要をけん引し、順調に拡大しています。航空機では、ボーイングの737、エアバスのA320など中・小型の単通路機の需要が大きく伸びており、東レでは今後、こうした次世代航空機の開発をターゲットにしたい考えです。中・小型機は生産機数が多く、部材成形の効率化が進むことも予想され、トータルコストダウンが可能となる熱可塑プリプレグの採用が拡大していくとみています。

今回買収するTCACは、欧米に主要製造拠点を置くプリプレグメーカーで、同社の材料は航空宇宙用途で、熱可塑性樹脂や高耐熱熱硬化性樹脂材料を中心に幅広い採用実績があり、熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維基材のグローバルリーディングカンパニーです。TCACが得意とする製品群に、東レが強みとする熱硬化プリプレグなど幅広い炭素繊維技術、ポリマー技術など投入し、大きなシナジーを期待できるとしています。さらに、両社の商流を融合させ、顧客により幅広いラインナップを提案できる可能性があります。

これにより、東レは小型機向け市場拡大へ迅速に対応し、中長期的には自動車用途などの産業に向け、事業拡大を目指す方針です。

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