ATR、霧でも運航できるパイロット向け状況認識支援システムで最終試験

ATR、霧でも運航できるパイロット向け状況認識支援システムで最終試験

ニュース画像 1枚目:「クリアビジョン」を装着した様子とATRの試験飛行機
© ATR
「クリアビジョン」を装着した様子とATRの試験飛行機

ターボプロップ機メーカーのATRは2018年6月20日(水)、開発を進めているパイロット向けの状況認識支援システム「クリアビジョン(ClearVision)」の最終試験で、ガーンジー島で同社プロトタイプ機を使用して運航したと発表しました。視界の悪い状況下での運航を支援するアビオニクスとして、ATR-600シリーズに導入する計画です。

「クリアビジョン」は、パイロットが着用するヘッドマウント・ディスプレイ・バイザー「スカイレンズ(Skylens)」で、これにより誘導灯や滑走路など各種情報が提供されます。「スカイレンズ」はデータベースから地形や障害物の画像を生成するほか、カメラからリアルタイムにバイザーへ外の状況を表示するシステムを組み合わせています。

ガーンジー空港が試験場所として選ばれた理由について、ATRはフランスとイギリスの間に位置するイギリス海峡のチャンネル諸島は、特に霧が発生することが多く、ガーンジー島を拠点とするオーリニー・エア・サービスのパイロットもこの新システムの開発に協力的であったことと紹介しています。

「クリアビジョン」の着用により、オーリニー・エアが通常は着陸を取りやめる状態のうち、24回は着陸可能との結果が得られており、これにより欠航や遅延、目的地変更など航空会社の定期便運航に大きな改善が期待されています。

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