オリックス、アヴァロンの株式30%取得へ 航空機リース事業を拡大

オリックス、アヴァロンの株式30%取得へ 航空機リース事業を拡大

オリックスは2018年8月8日(水)、航空機リース事業を手がけるグループ会社のオリックス・アビエーション・システムズ(ORIX Aviation Systems Limited:OAS)を通じ、世界第3位の航空機リース会社、アヴァロン・ホールディングス(Avolon Holdings Limited)の発行済株式30%を取得することに合意したと公表しました。必要な許認可の取得手続きを経て、株式を取得します。

アヴァロンは、2010年にアイルランドで創業し、主に航空機メーカーに直接発注し、完成後の新造機を受け取り、航空会社にリースするプライマリーマーケットに強みがあります。2016年に中国の海航集団(HNAグループ)のリース会社、渤海金控投資(Bohai Capital Holding)の完全子会社となり、Bohai Capital傘下のHong Kong Aviation Capitalと合併、2017年にはCITグループの航空機リース部門を買収しています。現在は、562機を保有・管理し、328機をメーカーに発注し、世界の航空機リース会社で第3位の規模を誇ります。

オリックスは、1978年に航空機リース事業に参入、1991年にアイルランドでOASを設立、現在は世界の航空機リース会社で唯一、S&Pの航空機サービシング格付を取得しています。OASは機体の購入からリース先の航空会社との契約手続き、機体の運航・整備状況のモニタリング、リース終了後の二次リース先の斡旋、機体の売却と総合的なマネジメントサービスを提供し、特に中古機をメインとしたセカンダリーマーケットに強みがあります。現在、200機以上を保有・管理し、世界30カ国以上、70社超の航空会社にリース事業を展開しています。

オリックスはこの株式取得により、航空機リースのプライマリーマーケットへのアクセスを強化し、航空機リース事業のスケールアップを図り、中長期的な事業成長を目ざします。これまでの経験や知見を生かし、アボロンと協業を推進し、世界の航空機リースマーケットでのプレゼンス向上を図ります。

現在、格安航空会社(LCC)の増加、新興国などで経済成長に伴い、世界の旅客輸送量の増加しており、2017年の24,400機から、2037年に48,540機まで民間機が拡大し、旅客輸送量は年平均で4.7%成長をボーイングが予測しています。こうした状況を背景に、航空会社は柔軟な機材計画、資金手当ての実現を目的としたリース需要が高まっています。

世界で運航される航空機のうちおよそ4割がオペレーティング・リースを活用し、将来的にリース比率が5割に達する予測もあり、さらなる成長が見込まれることから、オリックスもこの市場での拡大をめざしています。

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