香港国際空港(HKG) スポッティングレポート

2015 香港国際空港 スポッティングレポート

「FlyTeam・レイルラボ共同企画」2017 オフ会 in 能登!開催

FlyTeamスタッフで2015年11月21,22日、香港国際空港へ航空機の撮影(スポッティング)へ行ってきました。現地では、香港在住のスポッターさんたちと情報交換や現地での撮影ポイントを教えていただき、撮影を楽しみました。

香港国際空港(HKG)は、大型機から小型機までさまざまな機種を楽しむことができます。香港は日本からも近く、FlyTeamメンバーさんより数多くの撮影スポット情報の投稿されている空港です!今後、香港でスポッティングされる際の参考になれば幸いです。(2016/03/01)

スポッティング 開催概要

日時:2015年11月21日(土)、11月22日(日)

場所:香港国際空港 - 香港

今回のポイント一覧:GoogleMaps:2015年11月 香港国際空港 スポッティングレポート

香港国際空港 基本情報・参考URL

滑走路:3,800メートルの2本(07R/25L、07L/25R)

就航航空会社数:104社(2015年03月 時点)

香港国際空港 FlyTeamページ

Association of Hong Kong Aviation Photographers 香港鐵鳥攝影會

香港国際空港でのスポッティング報告[ 目次 ]

1.プランニング

多くの便が就し、開発も続く
多くの便が就し、開発も続く

香港は、羽田、成田、関西、名古屋をはじめ、新千歳、福岡、那覇、広島、鹿児島、宮崎、熊本と日本11都市との直行便が運航され、海外スポッティングでアクセスしやすい都市の1つです。

上は出発、下は到着フロア
上は出発、下は到着フロア

格安航空会社(LCC)ではピーチ、ジェットスター・ジャパン、香港エクスプレスをセール時に早期予約すると、リーズナブルな旅を計画できそうです。また、フルサービスの航空会社でもセールやパックツアーなど、LCCと遜色のない料金が出ている場合もあり、好みや予約時期にあわせ、自由度の高い旅行を計画できます。

宿泊先は今回、ターミナルビルから徒歩でアクセスできるリーガル・エアポート・ホテルを利用しました。そのほか、空港島の対岸にある東涌駅にノボテルがあり、スポッティングに時間を多く費やしたい場合、近隣ホテルを利用すると、バスや鉄道とうまく利用し、時間を最大限に有効に使えそうです。

2.撮影ポイント

FlyTeamに投稿されている撮影ポイントを参考すると、多くのポイントがターミナルから徒歩や公共交通機関でアクセスできる利便性の良い場所が確認できます。ただし、07L/25Rを海側から撮影する場合、07Rエンドを望む対岸からのポイントは船がないとアクセスできず、これらは香港在住の方の手を借りたいところです。

こうした中から、今回は第2ターミナルの西にある駐車場への通路、07L着陸を狙う定番のHAECOポイント、第1ターミナル南側、07Rエンドを望む対岸の山と4つのスポットを巡りました。

2.1 第2ターミナルから駐車場への通路

第2ターミナルから駐車場への通路は、およそ100メートル以上にわたり屋根が付いています。今回は早朝到着後すぐに、時間調整のためこの場所を訪れました。07Rエンドから離陸していく機体は午前中は逆光で、A320など軽い機体は上昇が早く、厳しい条件での撮影でした。

ただし、午後であったり、時間調整にスカイデッキに入るほどまででない場合など、離着陸の条件が合えば、楽しめると思う場所でした。特に香港の強い日差しを避けることができ、時間調整するにもターミナルから近い、といったメリットもあります。

なお、訪れた時間帯は、10時前で人通りも少ない状況でした。また、別の機会にもう一度訪れ、撮影してみたい場所でした。

早朝は逆光で条件が厳しい
早朝は逆光で条件が厳しい
787の離陸も十分に捉えられそう
787の離陸も十分に捉えられそう

2.2 HAECOポイント

HAECOポイントには、ローカルバスにておよそ45分から50分ほどです。空港ターミナルのローカルバス乗り場から、東涌駅(TungChungStation)へ行き、そこから「S52」のバスを利用し、Aircraft Maintenance Areaで下車します。タクシーを利用すると、およそ10分少々で、料金は60香港ドル、訪問時のレートで約900円です。今回はターミナルからHAECOポイントに向かう行きにタクシーを利用、帰りはバス(4香港ドル)を利用しました。

HAECO格納庫と護岸整備された撮影ポイント
HAECO格納庫と護岸整備された撮影ポイント
A380や747など大型機が頻繁に飛来
A380や747など大型機が頻繁に飛来

訪問した日(11/21)は 07Lに着陸、07Rから離陸と冬の時期の運用でした。香港は格安航空会社(LCC)が続々と就航しており、日本に乗り入れていない会社も多く、ひっきりなしに離着陸しています。

この運用時にも07Rに着陸する場合があり、キャセイパシフィック航空の747-400や救難活動などの任務にあたる香港政府フライングサービスの機材などを見ることができました。

A380や747など大型機が頻繁に飛来
A380や747など大型機が頻繁に飛来
07Rに着陸するキャセイの747-400。高速道の建設も進む
07Rに着陸するキャセイの747-400。高速道の建設も進む

また、ちょうど香港とマカオを繋ぐ高速道路の建設作業が進められており、07Rの着陸はこの作業風景と絡めた今しか撮影できない記録を残すこともできそうです。

2.3 第1ターミナル南側

ターミナルビルから離陸機が現れてくる
ターミナルビルから離陸機が現れてくる

第1ターミナル旅客ターミナルビルの南側ポイントは、チェックインロビー階を上がり、中心街からリムジンバスやタクシーで空港に到着するアクセスポイントと同じフロアにあります。この南側に設けられている喫煙スペースの外側から、07Rの離陸機を収めることができます。

空港島向かいの大嶼山を背景に撮影できる
空港島向かいの大嶼山を背景に撮影できる

第2ターミナルから駐車場への通路と同じく、香港を出発する前に少し時間がある冬の場合、スカイデッキにアクセスせずに撮影時間がある場合におすすめの場所でしょう。

市内からのバス、タクシーなどでアクセスするフロア
市内からのバス、タクシーなどでアクセスするフロア

容易にアクセスできる反面、無線がない場合は離陸するタイミングを見計らうことが難しいかもしれません。空港島から望む大嶼山を背景に一枚を収めたり、大型機など離陸が低い機材などの撮影を楽しめるでしょう。

2.4 07Rエンドを望む対岸

このポイントへのアクセスは、香港在住のスポッターさんたちの協力を仰ぎ、チャーター船を利用しました。東涌駅(TungChungStation)から徒歩で5分から10分の場所にある船着き場から船に乗りこみ、10人ほどが乗船しました。今回のチャーター船以外にも、定期便が一日数便が運行しています。

利用した船は10人程度が乗船可
利用した船は10人程度が乗船可
山頂のポイントは途中までコンクリートで整備
山頂のポイントは途中までコンクリートで整備
手前が07Rエンドを望む撮影ポイント
手前が07Rエンドを望む撮影ポイント

今回の船代は1人30香港ドル、日本円で450円程度とリーズナブルでした。ただし、船を1隻チャーターし、利用者で頭割りしています。当日は満席だったため、料金は安く抑えられましたが、人数によって1人あたりの費用が変わるので、注意が必要でしょう。

手前に07Rの離陸機、奥に07Lの着陸機
手前に07Rの離陸機、奥に07Lの着陸機

船着き場からは、東涌湾を通り、マカオとの連絡道路の建設現場を横目に、およそ20分ほどで07Rエンド対岸の船着き場(SHA LO WAN)に到着します。また、ここでの撮影前には、食事や水などを多めに持っていくよう伝えられていました。この付近には店舗が無いこと、船でしかアクセスできないこと、冬でも香港の気候が温暖で、十分に暑さ対策が必要です。

このポイントは、HAECOポイントでは柵から眺めることになる07Rの離陸機が撮影できます。07Lの着陸も捉えられ、正面に沙洲路のレーダーサイトを望む構図で撮影できます。また、貨物ターミナルに近く、誘導路上の貨物機も収めることができます。スポッティングを楽しみたい方は、思う存分撮影ができる場所でしょう。

07Rに着陸する747-8F「B-LJA」
07Rに着陸する747-8F「B-LJA」
07Lエンド着陸機とレーダーサイト
07Lエンド着陸機とレーダーサイト
視程が良いとターミナルと機体をフレームに収められる
視程が良いとターミナルと機体をフレームに収められる
離陸を中止したデルタ機と滑走中の香港航空
離陸を中止したデルタ機と滑走中の香港航空

3.現地のスポッターの皆さん

今回、07Rエンド対岸のアクセスには、「Association of Hong Kong Aviation Photographers 香港鐵鳥攝影會」として活動されている皆さんとコンタクトをとり、チャーター船の手配などを行っていただきました。香港国際空港の敷地内外で撮影された写真をまとめ、空港機関などと協力して冊子を製作するなど積極的に活動されています。

アマチュア・カメラマンの集団で、日本だけでなく、香港を訪れる世界各地からのスポッターさんたちと連絡をとりあい、積極的に交流されているそうです。チャーター船の手配もそうした彼らのネットワークの力をお借りし、実現できたものです。この場を借りて、改めて香港のLamさん、Thomasさん、Lauさんなどチームの皆さまに感謝を致します。

Association of Hong Kong Aviation Photographers 香港鐵鳥攝影會 Facebookページ
https://www.facebook.com/ahkgap/

4.番外編

香港といえば、1998年まで使用されていた啓徳空港を思い出す方も多いでしょう。街中を大型機が飛行する姿は、飛行機好きをワクワクさせ、街中からはヒヤヒヤする場面でもありました。機内にいる場合は、香港への着陸時に九龍の風景を楽しむため、右側の座席を指定する方も多かったでしょう。

現在、この滑走路はクルーズターミナルに改装され、以前と同じく香港の玄関口の役割を担っています。以前の31エンド側が開発され、九龍湾側にクルーズターミナル、その反対側は芝生を備えたカイタクランウェイパークが整備されています。船舶が到着するターミナル内にはカフェやレストラン、ショップなどが揃っています。

訪れた夜の時間は対岸の夜景が楽しめた。カイタクランウェイパーク
訪れた夜の時間は対岸の夜景が楽しめた。カイタクランウェイパーク

今回は夜のため訪れませんでしたが、公園には「13」が記され、かつて滑走路だったことを記しています。香港の街中は、「香港カーブ」で制限されていたビルの高さ制限も解除され、開発が進み、かつての啓徳空港のあった姿は歴史の1ページになっています。かつての空港がある風景は変わっていくものの、その記憶を留める場所に一度、訪れてみてはいかがでしょう。

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