2019年春の旅7便目-ちょっとユニークな出発をしたデルタ航空 - デルタ航空 口コミ・評価

航空会社 デルタ航空

2019年02月10日に撮影されたデルタ航空の航空機写真

© TA27さん

デルタ航空は、1929年6月17日、テキサス州ダラスから単葉...
IATA | ICAO
DL | DAL
アライアンス
スカイチーム

搭乗レビュー
2019年春の旅7便目-ちょっとユニークな出発をしたデルタ航空

航空会社
デルタ航空
便名
DL5128
エコノミー
搭乗日
2019/03
路線
JFK(ニューヨーク) → バーリントン
総評:3
3ッ星
機内食・ドリンク
3ッ星
座席(シート)
2ッ星
機内スタッフサービス
4ッ星
エンターティメント
2ッ星
トイレ・洗面台
無評価
機材コンディション
3ッ星
地上サービス
3ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
448
投稿日
2019/04/09

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    飛行機がちゃんと止まっています。
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    JFKの第4ターミナルはデルタがほと... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    無事に定刻に出発しそうな雰囲気です。
  • 写真の種類:座席(シート)
    シートピッチは狭く、クッションも固く... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    コーヒーか水、ナッツかクッキーという... 続き

総評

旅って、いろんなアイデアを心に温めて、漠然としたアイデアが、そのうちに具体的な企画案となり、細かい修正を加えながら計画を練って準備を進め、あれこれと想像を巡らせながらワクワクしたり、出発が待ち遠しい長い期間がありますけど、いざ出発してしまうと、本当にあっという間に終わってしまいます。旅のプロローグのようなフライトでニューヨークに到着し、これから国際線で大西洋を渡っていろんな冒険を体験するのかって、ワクワクしてたのがつい昨日のようですけど、もう全部終わってまたニューヨークに戻ってきてしまったんだなと、最後の搭乗を待ちながら、思わずため息が出てしまいました。

そういえば、こんな旅の主役を務めてくれている飛行機たちも、アイデアと冒険心を持った人たちが作り出した賜物ですね。

デルタ航空の始まりは、まだ飛行機が発明されてから間もない1909年の夏に、当時イリノイ大学農業学部の学生だったコレット・ウールマンが、フランスのラインで開かれた世界初の航空ショーを見に行って、飛行機に対する情熱を持ち始めたのがきっかけだといわれています。ウールマンは、1920年代にはルイジアナ州立大学に勤め、連邦農業省と協力して、綿花に被害を及ぼしていた害虫対策に取り組んでいましたが、その時、農業省が開発した粉末の殺虫剤を効果的に散布する方法として、米軍の飛行機とパイロットを使って空から散布する実験を試みました。ペンシルベニア州にあった航空機製造会社、ハフ・デランド社がその実験に気づき、農薬散布用航空機部門を設け、そのトップにウールマン氏が起用されました。そして、1925年にハフ・デランド社の農薬散布機部門は、ルイジアナ州のモンローに拠点を移します。世界初の農薬散布航空会社であり、この時のフリート18機というのも、民間航空会社としては当時世界最大だったとのことです。「パファー」(粉や煙などをプーッと噴き出すという意味の“puff”という言葉から)の愛称で知られているこの1924年製の飛行機は、一部1948年まで現役で活躍しました。デルタは、1966年までこの農薬散布部門を運営していましたが、その同じ年1966年にウールマン氏が死去したことから、その栄誉を称える記念としてその1924年製のパファーをよみがえらせるべく、2機のパファーがアトランタの工場に運ばれ、デルタのボランティアたちによって、そこでそれぞれのパーツを組み合わせて当時の飛行機が見事に再現されました。68年にスミソニアンの航空宇宙博物館に寄付されたこのパファーは、その後数カ所の博物館やエクスポなどに移され、最終的にまたスミソニアンの博物館に収まっているとのことです。

さて話を元に戻しますと、害虫の問題が解決されると、農薬散布機の需要も減ってしまい、経営難に陥っていたデランド社は、この部門を売却しようとします。そしてウールマン氏が3人に投資家とともにこれを買収して、1928年に新会社、デルタ・エアー・サービスが発足し、ウールマン氏はその副社長に就任しました。「デルタ」の名前は、当時秘書を務めていた女性が、ミシシッピデルタ地帯の名前を取って命名したものです。

翌1929年には、初めての旅客便が、テキサス州ダラスから、ルイジアナ州モンローを経由して、ミシシッピ州ジャクソンまで飛びました。今年でちょうど90年ですね。パイロット1人のほか、乗客5名を乗せていたとのことです。30年代は、エアーメール業務と旅客業務を確立して、アメリカ南東部を中心に航路を広げていきます。1941年には本社をアトランタに移し、45年には社名を「デルタ・エアラインズ」と変更、ウールマン氏が社長に就任しました。

1953年にはデルタとして初めての国際便、ハバナを経由カラカスまでの便が就航しました。60年代にはDC8やDC9などのジェット機を購入し始め、70年にはオールジェット機となりました。78年、航空規制緩和法が可決した同じ年に、デルタは初めての大西洋路線、アトランターロンドン線を就航しています。規制緩和の後、デルタは困難な時期を迎えますが、それまで健全な経営と成長を守ってきた会社に対する感謝を込めて、CAさんたちが中心となって「プロジェクト767」の名の元に募金活動を開始、3,000万ドルの資金を集めて、1982年に初めてのB767-200を購入し、「Sprit of Delta」と命名しました。この飛行機は、1996年のアトランタ・オリンピックの時もオリンピックカラーに塗り替えられてお披露目され、その後も2006年まで飛び続けたとのことです。

デルタは87年に初めて日本にも就航しています。90年代は、米系として初めてのMD-11を飛ばし始めたり、パンナムの大西洋航路を買収して、グローバルエアラインとしての地位を確立していきます。僕も、90年代にはこのMD11でポートランドやアトランタ便を何度か利用しましたので、デルタにはそんな思いでが色々残っているんです。デルタは、少なくとも90年代までは、サービスを大変重視したエアラインで、当時CAをしていた友人に聞いても、訓練の時もサービスが強調されていたし、その歴史にも誇りを持っていたということです。そういえば、自分が国際線を何度か利用した90年代は、他の米系エアラインとは明らかに一線を引いていて、エコノミーでも3種類の食事が用意されていたのに強い印象を受けたのを覚えています。

デルタは今機材の更新も図っているようで、新しい機材は働く人たちのやる気や希望を高めるのでしょうし、21世紀はもうそういう時代ではなくなっているとはいえ、やっぱりデルタのスピリットを忘れずに頑張ってほしいなと思いました。

さて、今回の搭乗に話を戻しますと、この便は実は出発前からオーバーブッキングが心配されていました。往路便のオーバーブッキングの疑いを持った出発2週間前の時点で残り5席と表示されていたのが、その1週間後にすでに残り1席になっていて、満席になるのは時間の問題でした。まあ、往路と違い、復路はうちに帰るだけなので、たとえオーバーブッキングで翌日の便に強制的に振り替えられたとしても、大きな打撃にはならないからと、旅行中は考えないことにしていました。前日、リスボンを出発する前にオンラインで早めにチェックインを済ませておいたせいかどうかわかりませんが、当日はゲートで座席があてがわれ、無事に搭乗できました。もちろん満席で、この便に non-revで乗ったユニホームを着たデルタのパイロットさんは、コックピットのジャンプシートに座ることになりました。隣のゲートからノースカロライナに出発した便はオーバーブッキングだったらしく、600ドル出しますと言って、自主的に翌日の便に振り替えてくれる人を募っていました。

最後に余談ですが、今年は航空ファンにとって特別な年で、1969年2月9日に、ボーイング747が、ジャック・ワデルとブライアン・ワイグルの2人の操縦士によって初飛行に成功し、同じ1969年7月20日に、アポロ11号に乗ったアメリカ人の宇宙飛行士2名が、人類初めて月に降り立ったときから、ちょうど50年になるんですね。どちらも、航空宇宙業界にとって大変画期的な出来事で、どちらもアメリカが成し遂げた偉業です。そして今年3月、民間企業として初めてアメリカのスペースXという会社が、宇宙船を打ち上げて国際宇宙ステーションに無事到着しました。宇宙旅行も夢でなくなる日が来るのでしょうか。アメリカの航空会社はよくないとかいろいろ言われますが、どこの飛行機も、フロンティア精神にあふれたアメリカのそういう業績の恩恵を受けていることを思いだすと、やっぱりアメリカという国はすごいなと思い知らされます。旅から戻ってきて、アメリカの飛行機に乗り、耳慣れた英語が聞こえてくると、これで家に帰るんだとホッとした気分になり、ドッと疲れが出たのか、タキシングからタキシングまで、飲み物をもらった以外はずっと居眠りで、目を開けていられないほどでした。

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
3C
搭乗クラス
ベーシック・エコノミー
区間マイル
266
出発予定時刻
21:30
到着予定時刻
23:10

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