「夢のままでは終わらせない」 三菱重工の旅客機開発 岐路に

「夢のままでは終わらせない」 三菱重工の旅客機開発 岐路に

ニュース画像 1枚目:三菱重工、MRJロールアウト式典での様子
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三菱重工、MRJロールアウト式典での様子

「夢のままでは終わらせない」ー

三菱重工業が2014年10月18日(土)、当時の名称「MRJ」を名古屋小牧空港の格納庫でロールアウトした際、その式典で開発の意気込みを示した言葉でした。新型コロナウイルスで世界の航空業界の需要が急減し、経営体制が厳しい環境となり、国産初の民間ジェット旅客機「スペースジェット(SpaceJet)」の開発も厳しい状況です。

共同通信は2020年10月22日(木)付けで、三菱重工業がスペースジェットの開発を実質凍結する方針との一報を伝えました。三菱重工業は10月23日(金)、スペースジェット(SpaceJet、旧MRJ)事業について、開発スケジュールの精査を行なっており、現時点で「開発の凍結を決定した事実はありません」とコメントしています。三菱重工は10月30日(金)に2020年度第2四半期決算を発表する予定で、これに合わせスペースジェット開発の機関決定がなされ、公表の見通しです。

三菱重工業は2020年2月、「スペースジェット」の納入計画を2020年半ばから21年度以降に延期すると発表しました。これは通算、6度目の延期でした。この後の新型コロナウイルスによる旅客需要の急減が航空業界へ大きな打撃となり、スペースジェットの開発は再考せざるを得ない状態となっていました。

航空業界の需要回復は2024年ごろとの予測もある中で、凍結後の再開に向けた体制を整える必要があります。このためには、型式証明の取得を終えることは必須で、その一定の人員とコストは求められます。10月末の三菱重工の発表では、買収したCRJ事業と合わせ、スペースジェットの事業をどう維持・縮小するか、注目されます。

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