737-800 vs A320勝敗は?どうなるJAL・ANAなど次世代単通路機

737-800 vs A320勝敗は?どうなるJAL・ANAなど次世代単通路機

ニュース画像 1枚目:日本航空の737-800 (たにやん99さん撮影)
© FlyTeam たにやん99さん
日本航空の737-800 (たにやん99さん撮影)

24年前の1997年7月31日、ボーイング737型機を製造するアメリカ・ワシントン州のレントン工場から737-800型が初飛行しました。2021年7月末現在、737-800旅客機は4,989機が製造され、軍用、ビジネスジェットを含めると5,100機を超えています。このライバル機はエアバスA320型で、4,752機が製造されています。日本でも国内線で利用する機会の多い単通路機の2機種は、初飛行から年数が経ち、後継機種も開発されています。注目される今後の後継機の動向も含め、737-800とA320の2機種を比べてみました。

ニュース画像 1枚目:全日本空輸の737-800 (くりっぱーさん撮影)
© FlyTeam くりっぱーさん
全日本空輸の737-800 (くりっぱーさん撮影)

日本で737-800を保有する航空会社は6社。日本航空(JAL)が48機、全日空(ANA)が39機、スカイマークが29機、ソラシドエアが14機、日本トランスオーシャン航空が13機、春秋航空日本が6機を運航しています。

日本初の737-800は、スカイマークが2005年12月に導入。その後、JALが2006年11月、ANAは2008年5月にそれぞれ1機目を導入しています。1機目導入から15年が経過したスカイマークは、保有機全て737-800でその平均機齢は10年弱。JALの737-800は11年超、ANAは9年弱です。ANAは三菱航空機のスペースジェットの導入遅れへの対応で代替機として導入した737-800があるため、平均機齢が抑えられている模様です。

■国内航空会社の737-800とA320、A320neoファミリーの保有機数
737-800A320A320neoA321neo
JAL480--
日本トランスオーシャン航空130--
ANA3931117
ソラシドエア140--
スカイマーク290--
ジェットスター・ジャパン019--
ピーチ02841
スターフライヤー012--
春秋航空日本60--
149621518
ニュース画像 2枚目:ピーチのA320 (NH3239さん撮影)
© FlyTeam NH3239さん
ピーチのA320 (NH3239さん撮影)

ライバルのA320を見ると、現在は4社が保有しており、ANAが3機、ピーチが28機、ジェットスター・ジャパンが19機、スターフライヤーが12機です。スターフライヤーは就航時からA320のみを使用し続け、2010年代以降に運航を開始した格安航空会社(LCC)のピーチ、ジェットスター・ジャパンはA320を主力機としています。バニラ・エア、エアアジア・ジャパンもこの機種を選定していました。

ニュース画像 3枚目:ANAが導入を始めたA320neo (ナナオさん撮影)
© FlyTeam ナナオさん
ANAが導入を始めたA320neo (ナナオさん撮影)

A320は、後継機種で騒音抑制や燃費改善が図られたA320neoがすでに日本でも運航されています。ANAとピーチが導入を進めており、ANAは11機、ピーチは4機を保有。両社とも、機体の大きなA321neoも導入し、ANAは17機、ピーチは1機を受領しています。スターフライヤーは、2023年1月にA320neoの導入を決めています。

737-800とA320をこれまで製造された機数で見ると、ボーイングとエアバスは良い勝負を繰り広げ、あえて言うならボーイングがやや優勢。日本市場に限ると737-800は149機、A320は62機が運航されており、ボーイングが優勢です。この単通路機の機材更新では、すでに日本にも導入されているA320neoファミリー、または737-800を発展させた737 MAXファミリーの2機種が最も有力でしょう。

ただし、ボーイングは737 MAXの墜落事故とその原因調査に伴う飛行停止が1年半以上続き、その間は納入が止まり、多くの受注もキャンセルされています。ボーイングとエアバスのベストセラー機はの優勝劣敗は、現在の日本市場ではエアバスが先行。ボーイングは、ANAと737 MAXを30機契約したのみにとどまっています。

ニュース画像 4枚目:スカイマークの737-800 (Ariesさん撮影)
© FlyTeam Ariesさん
スカイマークの737-800 (Ariesさん撮影)

A320neoは、日本で運航が始まり、スターフライヤーはエアバスの利用継続を判断。今後は大型機をエアバスに選定したJALの判断、さらに日本ではじめて737-800に更新したスカイマークの機種選定が注目されます。

ちなみに、ボーイング737NG(次世代)ファミリーは、737-300、737-400、737-500の737クラシックでの成功を受け、その当時の最新の技術が注ぎ込まれた機種です。ボーイング737NGとしては、1997年2月9日に737-700型が初飛行しており、737-800はこれに続くフライトでした。市場投入後も改良が続けられ、最も身近なところでは787の開発で得られた技術を「ボーイング・スカイ・インテリア」として機内照明などを導入。日本では、この機内仕様をスカイマークが最初に導入しました。さらに、燃費改善の技術として、主翼先端が上に伸びるブレンディッド・ウィングレット、上下に伸びるスプリット・シミタール・ウィングレットなどが登場しています。

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