アメリカ国防総省、民間予備航空隊を発動 大手航空会社18機で輸送支援

アメリカ国防総省、民間予備航空隊を発動 大手航空会社18機で輸送支援

ニュース画像 1枚目:ユナイテッド航空 ボーイング777-300ER型 (やつはしさん撮影)
© FlyTeam やつはしさん
ユナイテッド航空 ボーイング777-300ER型 (やつはしさん撮影)

アメリカ国防総省は2021年8月22日(日)、輸送軍司令官に民間予備航空隊(CRAF)のステージIを発動しました。アメリカの民間航空会社のうち、一定規模の航空会社は保有機がCRAFに登録されており、その旅客機や貨物機を国防総省が使用できるようになる命令です。これにより、アメリカ政府はその国民や職員、指定された移民ビザ保有者などの輸送に使用できます。今回は、アフガニスタンからの退避関連の輸送に使用されます。

この発動により、使用する機体はアメリカン航空、アトラス航空、デルタ航空、オムニエアからそれぞれ3機、ハワイアン航空から2機、ユナイテッド航空から4機、計18機です。国防総省はCRAF発動に伴う民間機への大きな影響は無いと、見通しを示しています。

使用される民間機18機は、カブールのハーミド・カルザイ国際空港へ飛行することはありません。一時的な避難所として確保されている中東地域などから、アメリカへの退避に使用されるとみられます。アメリカ軍は現在、カタールのアル・ウデイド空軍基地、ドイツのラムシュタイン空軍基地を一時退避地として運用。こうした基地から、民間機が輸送を担います。

ニュース画像 1枚目:アトラス航空、ボーイング767-300ER型 (北の熊さん撮影)
© FlyTeam 北の熊さん
アトラス航空、ボーイング767-300ER型 (北の熊さん撮影)

CRAF発動は、ベルリン封鎖時の課題を受けて創設された制度です。これまで、1990年8月から1991年5月にかけての湾岸戦争時、2002年2月から2003年6月のイラクの自由作戦時の支援として、民間機が活用され、今回は3度目です。

CRAFに関連する民間機の輸送では、ユナイテッド航空がボーイング777-300ER型、機体記号(レジ)「N2352U」を中東地域に派遣している模様です。アトラス航空はボーイング767-300ER型の「N649GT」、デルタ航空はエアバスA330-300型の「N810NW」「N820NW」を派遣しているとみられます。

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