本格的な宇宙旅行の幕開け、クルードラゴン上空500キロで3日間滞在へ

本格的な宇宙旅行の幕開け、クルードラゴン上空500キロで3日間滞在へ

ニュース画像 1枚目:ファルコン9ロケット、クルードラゴンを搭載して宇宙へ YouTube動画から
© Space X
ファルコン9ロケット、クルードラゴンを搭載して宇宙へ YouTube動画から

スペースXはファルコン9ロケットで2021年9月15日(水)、宇宙船「クルードラゴン」を打ち上げました。ファルコン9は2020年11月、野口宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送したロケットを再利用しています。打ち上げられたクルードラゴンには民間人4名が乗り込み、宇宙で3日間過ごす予定で、本格的な宇宙旅行の幕開けになります。このミッションは「インスピレーション4」と名付けられ、アメリカの富豪のジャレッド・アイザックマンさんが今回の打ち上げに伴う費用の多くを負担し、小児がん治療への資金支援が主な目的としています。

「インスピレーション4」の大きな特徴は、民間人のみで構成した4名のクルー、3日間の宇宙滞在、その滞在中は上空約575キロメートル(km)の軌道周回です。4名のクルーはジャレドさん含め男女2人ずつで、およそ5カ月の訓練を受けました。周回する高度575kmの軌道は、ISSの400kmより高く、クルードラゴンとしても初めての高度を達成しました。

宇宙旅行は、かつてないほど活発な動きを見せており、7月にヴァージン・ギャラクティックが乗員6名でスペースシップ2「VSSユニティ」、ブルー・オリジンは「ニュー・シェパード」でそれぞれ民間人による宇宙飛行を相次いで成功させました。ただし、いずれも宇宙での滞在時間は1時間にも満たないものでした。今回のクルードラゴンは3日間と、「旅行」と呼ぶに十分な時間を宇宙で過ごします。これによって、本格的な宇宙旅行と呼ぶ時が到来したと言えそうです。

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