香港国際空港を運営する「香港空港管理局」は2023年6月26日(月)から、日本での無料航空券配布キャンペーン「ワールド・オブ・ウィナーズ」を開始します。無料航空券は「約38,000枚」を用意。香港を拠点として日本路線を運航する3社が対象です。各社への割り当て枚数は、キャセイパシフィック航空が約15,000枚、香港航空 約6,000枚、香港エクスプレス 約17,000枚となっていますが、予定枚数以上の配布を行う場合もあるとしています。
20日に、東京都港区のザ・リッツ・カールトン東京で開催されたメディア向け発表会で、同キャンペーン開催の背景や狙いが明らかになりました。
香港を管轄する香港政府(香港特別行政区政府)の商務経済発展局 局長のアルジャーノン・ヤウ氏によると、香港人の日本での消費額は「個人収入の10%」におよび、日本は人気の旅行先であることを強調。日本へのインバウンド需要は回復基調にあるとし、日本からの旅行客(アウトバウンド需要)の取り込みを強化したいとしました。そういった背景からも、全世界を対象とした同キャンペーンの中でも、就航路線が多い日本路線を重要視しているとコメントしています。
同キャンペーンを主催する、香港空港管理局の最高執行責任者 ヴィヴィアン・チャン氏は、「香港にいらっしゃる方が、まず最初に立ち寄るのが香港国際空港」として、空港整備状況についての説明がありました。
2022年7月に供用を開始した第3滑走路により、香港国際空港は年間旅客数およそ1億2,000万人、年間貨物量はおよそ1,000万トンの取り扱いに対応できる容量となりました。これに加え、ターミナル2の拡張、ターミナル2のコンコースおよびエプロンの建設、ターミナル2とコンコース間を結ぶ新たな自動旅客輸送システムの列車運行、毎時9,600個の高速手荷物処理システムなどの導入が進められ、オフィスタワー、ロジスティクスセンター、アリーナなどの付属施設も建設される予定です。
またターミナル1の制限区域内には、2022年11月に世界最長の200mを誇る歩道橋「スカイブリッジ」が完成。足元のガラス床越しには、「スカイブリッジ」をくぐる航空機を眺めることができるほか、改装されたショッピングゾーンには40以上の有名ブランド店が並び、搭乗までの待ち時間を楽しむことができます。
最後にヴィヴィアン・チャン氏より、「空港内に設置された数々の新しいサービスや施設を体験してもらい、日本の旅行者に香港の魅力を再発見していただく絶好の機会です」と、同キャンペーンをアピールしました。
同キャンペーンに参加するキャセイパシフィック航空は、「需要は急速に回復している途上であり、これまで香港を訪れたことのない方にも香港を満喫してもらいたい」(同社 北東アジア地区 総支配人 ネルソン・チン氏)とコメント。
また、FlyTeam編集部の取材に対し、香港エクスプレスのカスタマー＆ブランド ディレクターのエリック・タン氏は、「日本路線の再拡大に注力している最中であり、需要動向を見極めながら再開路線、または新規就航路線を決めていきたい」とコメント。同キャンペーンをきっかけに、需要喚起を図り事業拡大を狙う考えを示しました。
韓国発や台湾発が先行した同キャンペーン。日本での開始が今となった理由は、国境封鎖が解除されたタイミングによるものとし、全世界で500,000枚配布のうち、日本分の割り当て枚数が約38,000枚である点については、「コロナ禍前の需要規模に基づくもの」と明らかにしました。
同キャンペーンへの参加は、3社それぞれホームページ上からのエントリーが必要。先着順での配布は、6月26日(月)11時から香港エクスプレス、27日(火)9時からの香港航空です。抽選での配布は、26日正午からキャセイパシフィック航空ですが、同社のマイレージプログラム「キャセイ」の会員登録が必要となります。対象路線は3社が運航する日本発着(成田・羽田・新千歳・中部・関西・米子・高松・福岡・鹿児島・那覇)。各社1人1回ずつのエントリーが可能です。
空港税や燃油サーチャージ(総額数万円程度)は自己負担になるものの、この機会に香港を訪れる計画を立ててみてはいかがでしょうか。
