スターフライヤーは2023年7月4日から、新型のエアバスA320neo型機「機体記号:JA28MC」の運航を開始しました。初日は北九州と羽田を往復し、5日からは羽田/福岡線への投入が始まりました。「JA28MC」は、従来機とは異なる燃費の良いエンジンを搭載しているほか、機内の設備変更による“安全デモ“の実演が行われます。
A320neoは、従来機で全席に個人用モニターを設置していたものを廃止。代わりに、離陸5分後から着陸10分前まで使用可能な、無料の高速Wi-Fiサービスを提供しています。また、乗客が個人のデバイス(携帯機器)でエンターテイメントを楽しめるよう、タブレットホルダーと、USBポート(タイプA・タイプC)・ユニバーサルタイプのAC電源を各席に設置しています。
可動域の大きいヘッドレストや、フットレスト、コートフックも各席に設置。リクライニングをすると座面が前方へスライドする“クレードル型”の座席になりました。また、薄型シートの採用により従来機(150席仕様)よりも座席数が12席増えた162席仕様となっていることから、これまで“スピル(需要の取りこぼし)”が生じていた、羽田/福岡・北九州線を中心とした高需要路線へ投入されます。
個人用モニターが廃止されていたため、A320neoの機内では同社こだわりの安全ビデオは放映されません。従って、A320neoでは客室乗務員が安全デモを実演しています。
外観上でも大きな変化があり、Wi-Fi用のアンテナを機体後上部へ設置しています。また、従来機のエンジンは、CFMインターナショナル製「CFM56-5シリーズ」が使用されていましたが、A320neoでは同製「LEAP-1A」を搭載。「CFM56-5シリーズ」と比較して、燃料消費量・CO2排出量が最大20%削減、騒音も約50%低減されます。エンジン本体の見た目も「LEAP-1A」は少し“ふっくら”と、より丸みを帯びたほか、後方の排気部にあるノズル(プラグ)が尖ったスタイリッシュなデザインとなっています。
2018年以降に導入された従来機「JA25MC・JA26MC・JA27MC」の後期組3機では、機体中央翼上の非常口ドアを1か所に変更するオプションが採用されていましたが、A320neoでは非常口ドアは2か所と、標準的なA320の形へ回帰しました。
A320neoの導入に伴い、従来機のA320が1機退役予定。10機運用、11機体制(1機は、重整備などによる整備控除=それ以外の期間は国内線の臨時便用)を維持します。また、A320従来機の後継候補として、200席前後の仕様とすることができるエアバスA321neoの導入も検討が進められています。