AIRDO(エアドゥ)は2023年12月20日に、就航25周年を迎えました。1996年に「北海道国際航空(通称:エアドゥ)」として設立。運輸省(当時)が国内幹線への新規参入を認める規制緩和により、「北海道の翼」として1998年に羽田/新千歳線で運航を開始しました。
大手航空会社より割安な運賃で1日3往復を運航していましたが、大手の値下げなどの影響により経営状態が悪化、2002年に民事再生法を申請し経営破綻しました。その後、全日本空輸(ANA)の支援を受け、運航機材の増強や路線の拡大を進めました。2012年には社名を「エアドゥ」へ変更しています。当初の「北海道国際航空」という社名からも分かるように、国際線への参入を目指していましたが、2014年に初めてチャーター便として新千歳/台北(桃園)線を運航しました。
2022年にはソラシドエアとの共同持株会社「リージョナルプラスウィングス」を設立し、両社での共同調達など合理化が図られる計画です。1996年に会社設立、1998年に運航開始という点において、同時期に新規参入したスカイマークとは同級生です。
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◼️現在の運航路線
同社は現在、北海道内6都市、全国5都市に就航。1日32往復を運航しています。ANAとはコードシェア(共同運航)を行なっており、運航便にはANAの便名も付与されています。
2024年2月には、国内チャーター便として新千歳/熊本間を運航する計画で、国内外のチャーター便もコロナ禍を経て今後増加していくものとみられます。
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羽田/新千歳線・1日12往復
羽田/旭川線・1日3往復
羽田/女満別線・1日3往復
羽田/帯広線・1日3往復
羽田/釧路線・1日2往復
羽田/函館線・1日2往復
新千歳/仙台線・1日2往復
新千歳/名古屋(中部)線・1日1往復
新千歳/神戸線・1日2往復
新千歳/福岡線・1日1往復
函館/名古屋(中部)線・1日1往復
◼️現在の運航機材
ANAの支援を受けてからは移籍機が増え、現在では運航する全機がANAからの移籍機です。国内の大手航空会社以外では、ワイドボディ機を就航以来運用し続けている会社でもあります。保有機は、ボーイング767-300ER型機(全席普通席288席仕様)が4機、ボーイング737-700型機(全席普通席144席仕様)を8機保有しています。
型式 | 機体記号 | 運用期間 | 状況 | 備考 | 737-700 | JA11AN | 2013/01 〜 | 運用中 |
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737-700 | JA15AN | 2013/06 〜 | 運用中 | |
737-700 | JA07AN | 2013/11 〜 | 運用中 | |
737-700 | JA08AN | 2014/03 〜 | 運用中 | |
737-700 | JA12AN | 2014/10 〜 | 運用中 | |
737-700 | JA09AN | 2015/09 〜 | 運用中 | |
737-700 | JA16AN | 2015/12 〜 | 運用中 | |
737-700 | JA14AN | 2016/01 〜 | 運用中 | |
767-300ER | JA613A | 2019/03 〜 | 運用中 | |
767-300ER | JA612A | 2019/09 〜 | 運用中 | |
767-300ER | JA605A | 2021/10 〜 | 運用中 | |
767-300ER | JA607A | 2021/11 〜 | 運用中 | ロコンジェット北海道 |
◼️これまで運航した機材
「JA98AD」のみ新造機として受領。「JA01HD」はベルギーのシティバードから購入、「JA391K」「JA392K」はANAウィングスの前身エアーニッポンが羽田/八丈島線用に購入した中古機です。これらの機体以外は全て、ANAから移籍した中古機でした。特筆すべきは「JA392K」で、1997年1月から海外で使用されたのち、エアーニッポンが2001年9月に導入。2006年1月にエアドゥへ移籍後、2009年1月からスカイネットアジア航空(現在のソラシドエア)で2011年7月まで運航されました。その後、南アフリカやリトアニア、ケニアの航空会社で運用されたのち、現在はアフリカ・ジブチのダーロ航空が2021年3月から「5Y-FQB」として、同機を運航しています。
型式 | 機体記号 | 運用期間 | 状況 | 現在の「機体記号」と運航会社(備考) | 767-300ER | JA98AD | 1998/06 〜 2021/02 | 抹消 | 米・ロズウェルへフェリー |
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767-300ER | JA01HD | 2000/07 〜 2021/03 | 抹消 | 米・ロズウェルへフェリー |
767-200 | JA8251 | 2003/07 〜 2005/06 | 抹消 | 貨物機改修後ABXエアへN798AX(2019年12月から保管) |
767-300 | JA8258 | 2005/03 〜 2009/12 | 抹消 | 米・ヴィクターヴィルへフェリー |
737-400 | JA391K | 2005/04 〜 2008/07 | 抹消 | ソラシドエアへ移籍後退役 |
737-400 | JA392K | 2006/01 〜 2009/01 | 抹消 | ソラシドエアへ移籍、ダーロ航空で運用中 |
737-500 | JA8404 | 2008/01 〜 2013/01 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
737-500 | JA300K | 2008/05 〜 2016/01 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
737-500 | JA8504 | 2008/09 〜 2015/04 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
737-500 | JA8595 | 2008/12 〜 2016/01 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
737-500 | JA8196 | 2009/03 〜 2014/03 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
737-500 | JA301K | 2009/09 〜 2014/03 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
767-300 | JA8359 | 2009/11 〜 2016/10 | 抹消 | 米・サンバーナーディーノへフェリー |
737-500 | JA305K | 2011/03 〜 2014/12 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
767-300 | JA601A | 2012/03 〜 2022/01 | 抹消 | 米・ロズウェルへフェリー |
737-700 | JA01AN | 2012/10 〜 2019/07 | 抹消 | ANAへ移籍後退役 |
767-300 | JA602A | 2016/07 〜 2021/12 | 抹消 | 米・ロズウェルへフェリー |
◼️さまざまな塗装遍歴
初号機の「試される大地・北海道」ロゴと「一歩前に出る勇気があれば きっと何かがはじまる」のスローガンや、お馴染みのベアドゥ、現在も活躍しているロコンジェット北海道など、多くの特別塗装が日本の空を飛びました。社名変更により機体に描かれた社名「Hokkaido International Airlines」から「“北海道の翼” AIR DO」への変革や、同社の機体を彩った様々な塗装を航空フォトで振り返ります。
エアドゥは、北海道民向けの割引運賃や機内サービス品に北海道らしさを取り入れたものを提供するなど、“北海道の翼”として独自のサービスを展開しています。一部機材のシートカバーも、札幌在住のデザイナーが監修し、針葉樹林やカラマツ林をモチーフに“北海道の自然”を表現した特徴あるデザインになっています。
同社は今後も北海道との繋がりを大切に、エアドゥならではのサービスを展開するとしています。