ボーイングとエアバスの2社複占市場が崩れる? ムーディーズの見方

ボーイングとエアバスの2社複占市場が崩れる? ムーディーズの見方

ニュース画像 1枚目:デルタ航空塗装のCシリーズ、イメージ
© Bombardier
デルタ航空塗装のCシリーズ、イメージ

ムーディーズは2016年5月24日(火)、ボーイングとエアバスの2社で独占している市場シェアに変化が起きているとのリサーチ文書を発表しました。100席超の商用機市場がボーイングとエアバスのライバル2社が独占しており、737 MAXやA320neoで引き続き両社の競争が続く市場と見つつ、今後の10年は2社の長年の独占が少しずつ崩れていくとの見方を示しています。

デルタ航空が2016年4月、Cシリーズを最大125機導入する契約を結んだものを受けたもので、ムーディーズはボーイングとエアバスの複占市場が崩れるにはまだ少し時間がかかるとしていますが、複占市場の終わりの始まりだとしています。ボンバルディアは、デルタ航空の発注は大幅な割引と割当のスロットが早期で納入も速いことが決めてとなったと言われています。

100席超のナローボディ市場は急成長を遂げていますが、格付け機関は大幅な割引価格が提供されているため、成長率を高めているともしています。また、デルタ航空のCシリーズの発注は、737 MAXやA320neoの市場と直接競合しない部分があるものの、ボーイングとエアバスの競争にも油を注ぎ、エアバスのA320neoのデリバリー体制が強化される状況もあり、今後もこの市場での競争が激しくなるとしています。

ボンバルディアのデルタ航空からのCシリーズ受注は、エンブラエルにも大きな影響を与えた契約で、こうした状況から航空機メーカーは、航空機販売で価格優位性を保つため、低い製造コストを実現するとともに、生産規模を大きく保ち、市場シェアの優位性を保つことが重視されるだろうとしています。

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