ログイン・新規登録
インフォメーション

FlyTeam サイト内のすべてのページを対象に検索します。

空港、航空会社の2,3レターコードやレジ,シリアルナンバー,機種を対象にした検索です。

FlyTeam ニュースの記事のみを対象に検索します。

ATR次世代リージョナル機「EVO」はブレード8枚!? 2030年に市場投入

© ATR
次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリー 2

ターボプロップ機メーカーのATRは、次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリーの開発に着手する計画を発表しました。主要なエンジンメーカーに対し、既存の技術と次世代のエンジン技術を組み合わせ、新しいパワープラント(エンジン)開発に向け、ATRは情報提供依頼書を送付。次世代リージョナル機の胴体には、これまで採用していた材質より軽量なバイオ素材を多く採用し、環境への配慮や軽量化による上昇性能の向上をめざします。公開された「EVO」のブレードは、現行のATR42/72の6枚ブレードから8枚へと変更されているなど、随所に向上が散りばめられます。ATR「EVO」ファミリーは、燃費向上20%、100%SAF使用を大きな特徴とし、航空業界の脱炭素社会への取り組みをさらに前進させる機種として開発、2030年までに市場への投入をめざします。

ATRは今後数カ月で、航空会社、エンジンメーカー、システムプロバイダーと連携し、2023年までにATR「EVO」ファミリーの計画開始を目指しています。この開発概要として、先進的な設計とハイブリッド機能を備えた新しいパワープラント(エンジン)を導入し、機体性能だけでなく、経済性や持続可能性を大幅に向上させる技術を採用します。新型プロペラは公開された画像では8枚が採用されています。8枚ブレードは、日本国内では、航空自衛隊のE-2Dアドバンスド・ホークアイに採用されており、エンジンの馬力をスピードや力強さに反映することができます。

© ATR
8枚ブレードが気になるが、エンジンカウルにはSAFの表記も

このほか、胴体の材質をリサイクルできることも重視し、客室の改良や搭載システムを含めた新たなエコデザインを採りいれます。機体の外見はこれまで販売されたATRと同じく双発ターボプロップ機で、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用して運航できる機種をめざしています。

ATR「EVO」ファミリーは、燃費向上による使用燃料20%の削減だけでなく、整備費20%の削減を実現することで、運航コスト削減にもつなげます。これが実現すると、航空会社は旅客の少ない路線にこの機種を使用しても、航空会社にとっては損益分岐点が下がり収益を確保しやすくなります。このため、地域を結ぶ新路線の開設、それによる接続性の向上など、経済発展にもつながる可能性があります。また、環境面では、ケロシンを燃料とするこれまでのリージョナル・ジェット機と比べ、二酸化炭素(CO2)排出量は50%以上削減され、100%SAFを使用するとCO2排出量はゼロに近くを実現できます。

© ATR
次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリー 後ろから
© ATR
次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリー 前から
© ATR
次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリー T字尾翼の形状は現行機と変わらず
© ATR
次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリー 高翼の形状も変わらず
© ATR
次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリー 右舷側
© ATR
次世代リージョナル機のATR「EVO」ファミリー 左舷側