2024年8月31日(土)、三大航空連合(アライアンス)のひとつであるスターアライアンスから、創設メンバーの1社であるスカンジナビア航空(SAS)が脱退、翌9月1日(日)付けでスカイチームへ移籍します。スターアライアンスにとって、創設メンバーの脱退はこれが初めて。他のアライアンスを見ても、合併や倒産などを理由としないアライアンス移籍は異例のことです。スターアライアンスには全日本空輸(ANA)が所属しており、マイルやコードシェアの提携関係に変化がありそうです。
現在、ANAではマイレージ提携を実施しており、SAS便搭乗でのマイル積算やプレミアムメンバーサービスなどを提供中ですが、8月31日付でこれらのサービスを終了します。発券済みのSAS特典航空券については、9月1日以降も利用することが可能です。SASとのコードシェアについては、9月1日以降も継続されます。2025年1月31日からSASの拠点空港の一つ・ストックホルムへの路線を開設する予定ですが、SAS便との乗り継ぎなどの提携が行われるかどうかも注目です。
SASでは他のスターアライアンス加盟会社も同様にサービスを終了します。9月1日以降、スカイチーム加盟会社とマイレージ提携を開始します。
スターアライアンスは、世界初のアライアンスとして1997年5月14日に設立。創設メンバーは、今回脱退するSASのほか、ユナイテッド航空、ルフトハンザドイツ航空、エアカナダ、タイ国際航空でした。1999年にはANAが加入するなど加盟会社は年々増加し、現在正式メンバーは26社(SAS含む)と、世界最大のアライアンスへと成長しています。
一方、スカイチームは2000年設立の三大航空連合の中では最も新しいアライアンス。創設メンバーはデルタ航空、エールフランス航空、大韓航空、アエロメヒコ航空で、現在は19社(SAS除く)が加盟しています。過去には日本エアシステム(JAS)やスカイマーク、日本航空(JAL)の加盟が取り沙汰されたことはありましたが、現在日本の航空会社は加盟していません。
今回の航空連合移籍は、SASが2022年7月にアメリカ連邦破産法11条(チャプター11)を申請し、経営再建に際しスカイチームに加盟するエールフランス-KLMが出資・支援を行ったことで実現したものです。
各アライアンスでは、共通の特別塗装機を各社で運航しています。SASでもスターアライアンスの特別塗装機を運航していますが、移籍に伴い塗装は順次終了するものとみられます。今後、SASのロゴが入ったスカイチームの塗装機が登場すると思われます。