ボーイングは2018年4月25日(水)、同社第1四半期の決算発表にあわせ、767の月産機数を現在の2.5機から、2020年に3機へ引き上げると発表しました。これについて、Randy'sブログで背景を説明しています。
現在、保管する機体を運航ラインに戻したり、より早く機材を導入する要望、あるいはより多くの機材を計画するなど、航空貨物輸送の市場が回復していることを受けた決定です。月産3機体制は、2016年から倍の生産体制となり、3回目の増産体制となります。
オンライン・ショップでの売り上げ拡大に伴う需要に加え、過去10年間の航空貨物量からの分析で世界貿易と工業生産物が密接に結びついているとし、大型の貨物専用機は資本的設備や生産に不可欠なシステムの輸送に効率的であると判断しています。このため、世界の主要地域で工業生産、貿易が同時に成長する傾向にあり、航空貨物は堅調な成長を続けるとみています。
実際、2月以降の受注でUPSが747-8Fを14機、767Fを4機、全日空(ANA)が777Fを2機、カタール航空が777Fを5機契約しており、24カ月で80機を販売しています。さらに貨物機では、737-800ボーイング・コンバーティド・フレイター(BCF)が4月に引き渡しされており貨物機が注目されています。
また、767の生産体制では、747ドリームリフターを使い、その胴体を輸送する構想も検討されている模様です。スピリット・エアロシステムズのカンザス州の工場から鉄道で輸送していますが、これを空輸に切り替えるとみられます。