国際民間航空機関(ICAO)は2020年6月1日(月)、新型コロナウイルス(COVID-19)により大打撃を受けた国際的な航空輸送システムの再開と航空会社などが取るべき対策の指針を示した新たな報告書と「テイクオフ」ガイドラインを公表しました。
輸送再開に向け、政府や業界がハイレベルな助言を求めていたことに応えたガイドラインで、同機関の航空復興タスクフォース(CART)が各国や地域組織との協議に加え、世界保健機関(WHO)や国際航空運送協会(IATA)などの国際機関からのアドバイスも受けて作成されています。
ICAOのガイドラインでは、運航再開のステージを5段階に分け、ステージの後退が必要な場合もあると認識しながら、リスクに基づいて緩和策を調整することの必要性や、空港、航空機、乗務員、貨物の4つの分野における具体的な指針を記載しています。具体的には、空港内での消毒計画を文書で作成することや、機内では、搭乗者に自分の座席以外への移動をできるだけ控えさせること、また出発地の空港で健康証明書の提示と検温を求めることなどが含まれています。
ICAOは、このガイドラインにより、運航再開と復旧の支援を目指しており、空の旅への信頼を回復することが航空輸送セクターの存続だけでなく、社会全体や地域経済の回復につながると説明しています。