宇宙飛行の販売を手がけるアメリカのヴァージン・ギャラクティックは、2023年6月29日に初の商業宇宙旅行に成功したことを発表しました。初めての乗客となったのはイタリア空軍関係者ら。すでに日本でも、クラブツーリズム社がこの宇宙旅行を取り扱っており、価格は450,000米ドル、日本円では約6,500万円です。
使用される機体は、宇宙船「スペースシップツー」。6名の乗客と2名の乗員が搭乗可能で、約50,000フィート上空にてマザーシップ(母船)「ホワイトナイトツー」から発射されます。母船は双胴機で、エンジンは左右2基ずつ計4基を装備。それぞれの胴体の間に宇宙船を取り付けるため、翼幅は43mとなっています。
出発は、アメリカ・ニューメキシコ州のスペースポート・アメリカから。機体は離陸後、高度約50,000フィート上空で母船から宇宙船を発射します。宇宙船内では、バク転するなどの宇宙遊泳を楽しめるほか、左右・天井に設けられるたくさんの窓から、地球の景色を堪能。離陸からの所要時間は約90分間で、宇宙空間(無重力)に滞在するのは約4分間とのことです。
ヴァージン・ギャラクティックは、イギリスの“ヴァージン・アトランティック航空”を設立した起業家、リチャード・ブランソン氏がアメリカに設立した宇宙企業で、商業宇宙旅行等を取り扱います。当初、人工衛星を取り扱う予定であった“ヴァージン・オービット社”(4月3日に米連邦破産法11条「チャプター11」の手続き開始)とは別会社です。