航空管制では、各航空会社のことを「コールサイン」と呼ばれる独自の符号で呼び合っています。飛行機に乗るだけでは触れる機会がないものですが、各社のこだわりが詰まったコールサインを聞くことで、更なる飛行機の楽しみが膨らむかもしれません。ここではそんなコールサインをシリーズ形式で紹介。今回は、世界新興航空会社や格安航空会社が使用している「変わり種」なコールサインをピックアップします。
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コールサインは、航空会社名をそのまま充てることが多いですが、LCCや新しく設立された航空会社などは、会社名とは別の単語をコールサインとして使用するケースも。また、エアアジアやジェットスターなど、グループ会社が多数ある場合は、それぞれ違うコールサインを使用している場合もあり、ユニークなコールサインが多く存在します。
別の乗り物になっちゃった! スクート「スクーター(SCOOTER)」
シンガポールを拠点に、ボーイング787型機などを使用しているLCC・スクート。コールサインは社名をもじった「スクーター(SCOOTER)」で、文字のまま見るとさながらバイクのようです。このように、社名をもじったコールサインもあり、日本のLCC・ZIPAIRのコールサインも「ジッピー(ZIPPY)」という社名をアレンジしたものになっています。
なんだか可愛げが… タイガーエア台湾「スマートキャット(SMART CAT)」
チャイナエアライン傘下の台湾のLCC・タイガーエア台湾は、コールサインとして「スマートキャット(SMART CAT)」を使用。社名の「タイガー(虎)」が「キャット(猫)」に変化し、なんだか可愛いらしいコールサインとなっています。
コールサインに「エアアジア」は使わない!?エアアジアグループ各社
アジアにおけるLCCのパイオニアであるエアアジア。現在エアアジアグループとして、東南アジア各国に合計7つのグループ会社を構えており、コールサインも各社で独自のものを採用しています。しかし、どの会社も「エアアジア(Air Asia)」の名称を使用しておらず、「レッドキャップ(RED CAP、エアアジア)」や「ザナドゥ(XANADU、エアアジアX)」、「ワゴンエア(WAGON AIR、インドネシア・エアアジア)」といった、一風変わったコールサインを使用しています。ちなみに、2020年に運航停止したエアアジア・ジャパンのコールサインは「ウィングエイジア(WING ASIA)」でした。
由来は『スターウォーズ』!? スターラックス航空「スターウォーカー(STARWALKER)」
2020年に運航を開始し、日本路線も多数運航している台湾の新興航空会社・スターラックス航空。コールサインは「スターウォーカー(STARWALKER)」という、なんともオシャレなネーミングです。同社の社長である張國煒氏が映画『スターウォーズ』の登場人物から着想を得たものとされています。ちなみに、「スターラックス(STARLUX)」というコールサインは、スターラックス航空設立以前から存在するコムラックス・アルバというチャーター航空会社が使用しています。
いかがでしたでしょうか?以上、世界のユニークなコールサインを紹介してきました。独特なものからキャッチーなものまで、どこか新鮮な感じもする各社のコールサインは、“豆知識“として紹介してみても面白そうです。現在、インターネットサイト上で手軽に世界の航空無線が聴けるサービス「LiveATC」などのサービスがあり、無線機がなくてもいつでもどこでも楽しむことが可能です。この夏は航空無線で、「変わり種」コールサインを探してみるのもいいかもしれません。