羽田空港と神戸空港を拠点に運航するスカイマークは2021年6月現在、29機のボーイング737-800型を運用しています。そのうち28機の主翼先端に、燃費の向上効果のあるウィングレットと呼ばれる装置を取り付けています。このウィングレットに、絵柄と色を組み合わせた絵柄が塗装されています。
今回は、このスカイマークのウィングレットに描かれた絵柄を徹底調査。その絵柄は全13種類ありますが、時に変更されることがあるようです。それぞれの機体と絵柄の最新の組み合わせを一覧にまとめました。
ウィングレットとは
ウィングレットは、主翼の先端に取り付けられている第2の翼。飛行中に発生する空気抵抗を減らし、燃費向上、二酸化炭素排出量の削減効果があります。ウィングレットは大きく2種類あり、主翼先端に上向きで取り付ける「ブレンディッド・ウィングレット」と、上下の両方向に装着し、横から見ると三日月型に見える「スプリット・シミタール・ウィングレット」があります。スカイマークは、ブレンディッド・ウィングレットを装着しています。
このウィングレット部分に、同社スタッフが考案したさまざまな絵柄と色を組み合わせています。ウィングレットの内・外に塗装されているため、空港の展望台などで見るだけでなく、機内からも絵柄を確認できます。
絵柄の塗装は、わざわざ塗り替えることはなく、ウィングレット交換のタイミングで、絵柄が変わることがあります。ちなみに、このウィングレットは、約4,000万円(2016年時点)するようです。
13種類の絵柄一覧(過去分含む)
絵柄は、ハートのほか、ダイヤ、クローバーなどのトランプシリーズ、さくらんぼ、ひまわり、音符、桜などが存在します。この13種類には、過去の絵柄として、スペード(黒)、スペード(緑)、クローバー(黒)、チューリップ(ピンク)も含まれます(2021年6月時点)。多くの機材で左右のウィングレットに同じ絵柄が導入されていますが、異なる組み合わせを導入している機材もあります。
種類 | 2021年6月時点の塗装 | |
---|---|---|
1 | ハート(赤) | 〇 |
2 | ハート(青) | 〇 |
3 | ダイヤ(青) | 〇 |
4 | ダイヤ(赤) | 〇 |
5 | クローバー(緑) | 〇 |
6 | さくら(ピンク) | 〇 |
7 | さくらんぼ(赤) | 〇 |
8 | ひまわり(黄) | 〇 |
9 | 音符(黒) | 〇 |
10 | スペード(黒) | 過去の絵柄 |
11 | スペード(緑) | 過去の絵柄 |
12 | クローバー(黒) | 過去の絵柄 |
13 | チューリップ(ピンク) | 過去の絵柄 |
運用機材と絵柄組み合わせ一覧
では、ウィングレットの絵柄を見てみましょう。ウィングレットに絵柄が塗装されている27機のうち、17機が左右のウィングレットにハートを塗装しており、最も多いパターンです。
機体記号(レジ) | 左 | 右 |
---|---|---|
JA737N | ウィングレットなし | ウィングレットなし |
JA737Q | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA737R | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA737T | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA737U(※) | ハート(赤) | ダイヤ(赤) |
JA737X | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA737Y | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA737Z(※) | クローバー(緑) | ハート(赤) |
JA73AA | さくら(ピンク) | さくら(ピンク) |
JA73AB | さくら(ピンク) | さくら(ピンク) |
JA73AC(※) | ハート(赤) | さくら(ピンク) |
JA73NA | ダイヤ(青) | ダイヤ(青) |
JA73NC | さくらんぼ(赤) | さくらんぼ(赤) |
JA73ND | ひまわり(黄) | ひまわり(黄) |
JA73NE | おんぷ(黒) | おんぷ(黒) |
JA73NF | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NG | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NJ | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NK | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NL | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NM(※) | ハート(赤) | ハート(青) |
JA73NN | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NP | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NQ | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NR | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NT | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NU | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NX | ハート(赤) | ハート(赤) |
JA73NY | 無地 | 無地 |
ハートは全て、カラーは赤です。ただし、絵柄の下地が白とグレーの2種類あり、それぞれ見え方が若干異なり、光加減でピンクに見える場合もあるようです。
2018年以降に新規導入した機材に登場した絵柄の「さくら」。「美しい桜のように、スカイマークもお客様から愛され日本を代表するエアラインになる」という想いが込められています。現在、左右両方のウィングレットに「さくら」絵柄を採用している機体は「JA73AA」「JA73AB」の2機です。
「ダイヤ(青)」、「さくらんぼ(赤)」、「ひまわり(黄色)」、「音符(黒)」の絵柄は、それぞれ1機。これを機内から確認したり、展望台で見かけたら、「おっ!」と思う珍しい絵柄です。
左右同じ絵柄だけでなく、左右異なる絵柄を塗装している機体もあります。これは計4機です。
過去に存在した絵柄
なお、現在は見れないウィングレットの絵柄は、クローバー(黒)、チューリップ(ピンク)、スペード(黒) 、スペード(緑)の4種類です。「JA737T」は2009年3月、「JA73NB」は2014年11月にそれぞれ退役、「JA737Z」と「JA737Y」は現在は異なる絵柄になっています。
飛行機に乗る際、主翼付近の座席だと、空の下の景色が見にくく少々残念が気がしますが、実はウィングレットに描かれた絵柄が一番見やすい位置。こうした座席になった場合でも、さまざまな種類があることを知っていれば、珍しい組み合わせ、定番の組み合わせを楽しめそうですね。
さらに、ウィングレットに絵柄が塗装されていないレアな1機を見つけても、それはそれでラッキーな気分になれそうです。スカイマークの飛行機を見かけたら、これまで以上にウィングレットとその絵柄の組み合わせ、さらにその絵柄が変わっていないか、注目してみてください。