1943年5月16日深夜から17日早朝にかけて実施された「チャスタイズ作戦」から70周年を迎え、イギリス各地では記念するイベントが開催されています。
チャスタイズ作戦は、第二次大戦下のドイツ・ルール地方のダムを爆撃して、発電施設を破壊し工業地帯を水浸しにした作戦です。4つのダムを破壊するため水面をスキップする特殊な爆弾が開発され、ランカスター爆撃機に搭載されました。
24歳のガイ・ギブソン中佐率いる第617飛行隊(No.617 Sqn.)19機のランカスターは、対空火器で守られたダムへ高度50フィートの超低空飛行で攻撃を実施、作戦を成功させました。しかし8機が失われ、53名のクルーが戦死、3名が捕虜になりました。
困難な作戦を成功させたとして生還した33名には勲章が授与され、隊長のガイ・ギブソン中佐にはビクトリア十字勲章が授与されました。それ以来No.617 Sqn.は「ダムバスターズ」をニックネームとし、現在もトーネードGR.4を装備する部隊として伝統が継承されています。
日本では作戦を描いた映画のヒットにより、邦題「暁の出撃」(原題:The Dam Busters)で知られています。
現在、ダムや堤防、原子力発電所など危険な力を内蔵する工作物等への攻撃は、ジュネーブ条約追加議定書にて禁じられています。