2014年1月の787バッテリー発火、カバー対策は有効も根本原因は不明

2014年1月の787バッテリー発火、カバー対策は有効も根本原因は不明

航空局は2014年12月19日、1月14日に成田空港で発生した787-8、機体記号(レジ)「JA834J」のバッテリー不具合による白煙が発生した件の調査内容を発表しました。JALのボストンでの発火、全日空(ANA)の787で緊急着陸した高松でのインシデントとあわせ、根本的な原因を明らかに出来なかったものの、2事案を受けてボーイングが講じた対策が有効であったとしています。

バッテリーの設計変更、バッテリー充電装置の変更、バッテリー覆い箱の設置といった対策を行ってから初めて発生した発煙事案で、メインバッテリーの内部のセルは過熱・損傷していたものの、バッテリーを覆う箱周辺の電気室内に損傷などは発生していませんでした。

ボーイングの改良は、第1にバッテリー・セルの過熱の防止、第2にバッテリー・セルに過熱が発生した場合に他のバッテリー・セルへの熱の伝播の防止、第3に万一、バッテリー・セル間で熱が伝播した場合の火災の防止を主眼に対策が施されたものです。航空局の報告書では、運航の継続に必要な機能は維持されていたとしており、一定度の安全面は確保されているとの考えを示しています。

また、ボストン、高松、成田とも全て1月の寒冷期に発生していることから、航空局の調査では低温環境が内部短絡を引き起こすメカニズムを検討したものの、明らかにすることは出来なかったとしています。

航空局では各事案の調査を通じ、ボーイングに対して潜在的に指摘される要因をさらに検討し、設計改善の検討を加速し、実施すべき設計変更に関係する認証を早期に取得するように促しています。また、引き続きアメリカ連邦航空局(FAA)、ボーイング、運航者などと引き続き密接に連携するとしています。

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