防衛省は2025年6月7日と8日に、中国軍の戦闘機J-15が海上自衛隊のP-3C哨戒機に対して特異な接近を行ったと発表しました。
事案は7日10時30分頃から11時頃の約40分間、および8日14時頃から15時頃の約80分間、太平洋上の公海上空で発生。警戒監視中だった海上自衛隊のP-3C哨戒機に対し、中国軍空母「山東」艦載のJ-15戦闘機が接近・追従する動きが確認されました。J-15はP-3Cとの高度差がない状態で、水平距離約45mまで接近。さらに8日には、P-3Cの針路前方約900mを高度差無しで横切る行動も見られました。
このような異常接近について、防衛省は偶発的な衝突の危険性があるとして、中国側に深刻な懸念を伝えるとともに、再発防止を強く申し入れています。なお、自衛隊機および搭乗員に被害はありませんでした。
中国軍のJ-15戦闘機は、ロシア製のSu-27を基に開発されたJ-11B戦闘機をベースに、空母での運用に対応させた艦載機です。2024年頃からは、さらに改良が加えられたJ-15T型も登場したとされています。