日本航空学園機の不時着、バッテリー配線の不具合が原因 点検要領を変更

日本航空学園機の不時着、バッテリー配線の不具合が原因 点検要領を変更

ニュース画像 1枚目:不時着後の状況、事故報告書より
© 運輸安全委員会
不時着後の状況、事故報告書より

運輸安全委員会は2019年3月28日(木)、日本航空学園所属機の不時着について、調査報告書を公表しました。

この事案は2018年9月26日(水)、日本航空学園所属のヴァレンティン・タイフーン17EⅡ、機体番号(レジ)「JA2451」が耐空検査前の確認飛行時に発生した事案です。能登空港を離陸し、飛行中に電気系統で不具合が生じ、滑空で能登空港へ引き返そうとしたものの、約3キロメートル手前の草地に不時着しました。滑走路まで到達できないとの判断で草地をみきわめ、手動による緊急脚下げを行い、スムーズに設置されたと思われたものの、同乗者が着陸後に確認した際には脚を損傷し、機体は航行不能でした。

報告書では、「JA2451」が不時着した際にブレーキが片効きし、左横を向いて急減速し停止したため、右主脚と前脚を損傷し、航行不能になったとみています。不時着については、電力供給の喪失で能登空港に引き返す途中、機長が異臭と白煙を認めたため、エンジンを停止し滑空に移ったものの、滑走路まで到達できないと判断したことを認定しています。

異臭と白煙は、バッテリーが適切に取り付けられていなかったこと、バッテリー配線の被覆の不具合が、飛行前の点検で発見されず、バッテリー配線の芯線と取付金具が接触し、短絡したことで生じたとみています。

再発防止策として日本航空学園は、バッテリーの取付状況と配線の確認について飛行前の点検要領を変更、バッテリーの取付金具の位置や端子の接続状態の確認を定時点検時に追加したほか、飛行特性や非常操作の再確認と実機訓練、変更事項についての座学と実機実習や教育などを実施しています。

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