大島空港で2019年5月発生のオーバーラン、着陸復行すべき事案

大島空港で2019年5月発生のオーバーラン、着陸復行すべき事案

ニュース画像 1枚目:発生当時の推定飛行経路
© 運輸安全委員会
発生当時の推定飛行経路

運輸安全委員会は2020年10月29日(木)、パイパーPA-46-350P型機が大島空港でオーバーランした件の報告書を発表しました。この事故は2019年5月、八尾空港から大島空港に向かっていた機体記号(レジ)「JA121C」が滑走路21に着陸、滑走路を外れて03エンドを越して機体や空港施設に損傷を発生させ、自力走行できなくなったものです。事故当時、機長に加え4名が搭乗していましたが、負傷者はいませんでした。航空局はこの件を重大インシデントに認定しています。

報告書によると、着陸する際、追い風の滑走路に対して、速度が大きいまま滑走路の中央標識を越えた地点に接地したことがオーバーランの直接の原因とみられます。着陸前の通信で機長は情報官から風向き、風速に加え、使用滑走路03と伝えられたものの、雲で滑走路が視認できず、高度を下げて滑走路21を視認できるようになりました。

こうした状況の中、過去の機長の経験から追い風でも着陸可能と判断し、滑走路21への着陸を決断しました。着陸前に情報官が「JA121C」を視認し、追い風であることを伝え使用滑走路03への着陸を提案したものの、機長は判断を変更せずに着陸しました。また、着陸時に着陸装置が下りていない警報を聞き、装置を下ろす操作もあり、1,800メートルの滑走路中央標識を超えて着陸したとみられます。

滑走路の最終進入時、機長の操縦に余裕がなくなり、着陸装置などの操作が間に合わない状態でした。こうした状況からオーバーランにつながったとしていますが、報告書では燃料上の問題も無く、滑走路を21から03に判断を変更するなど、着陸復行(ゴーアラウンド)を行う状態と指摘しています。

※第3段落で一部記載に誤りがありました。訂正するとともに、お読みいただきました皆さまにお詫びいたします。(2020-11-2 18:33)

この記事に関連するニュース
メニューを開く