ボーイング777-300ERSF改修、構造変更フェーズに着手

ボーイング777-300ERSF改修、構造変更フェーズに着手

ニュース画像 1枚目:構造変更フェーズでの作業、床の強化
© IAI
構造変更フェーズでの作業、床の強化

イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)は2021年8月10日(火)、ボーイング777-300ER貨物機(SF)改修プログラム「ビッグツイン」のうち、構造変更フェーズに着手したと発表しました。777-300ERSFプログラムは現在、777-300ER型旅客機を貨物専用機に改修、追加型式証明書(STC)の取得を目指しています。

1機目の改修作業は、2020年2月までエミレーツ航空で旅客便に使用されていた製造番号(msn)「32789」、機体記号(レジ)「N557CC」で実施されています。構造変更フェーズでは、機体左側の胴体に新たな貨物専用ドアの設置、機体に設置されている旅客用フロアの交換と強化、貨物ドア開口部近くの胴体に補強材で強化、安全性・利便性を考慮した電気システムの変更など、構造部に手を入れる作業です。

IAIが公開した動画では、客室のオーバーヘッドビンから壁を全て取り外し、配線などを進めている様子が紹介されています。この初号機は試験などを終えると、カリッタエアに「N778CK」として引き渡しされる予定です。動画では、「N778CK」の機体記号も確認できます。

この作業プロセスは、イスラエル民間航空局(CAAI)、アメリカ連邦航空局(FAA)などから改造航空機の認証取得の手続きも含まれています。構造変更の作業はおよそ130日と予定されており、作業終了により旅客機から貨物機に生まれ変わります。

IAIはボーイング767型でも旅客機から貨物機への改修を手掛けています。過去数年にわたり、767ではeコマースの増加、さらに新型コロナウイルス・パンデミックでeコマースが拡大し、貨物機の需要が高まっています。すでに2022年まで、767貨物機プログラムの改修枠は埋まっています。777-300ERSFは767より大型で、長距離飛行できる機体ですが、航空貨物需要の高まりを受けて改修機は50機を超える見込みです。

777-300ERSFプログラム「ビッグツイン」は、IAIとGEキャピタル・アヴィエーション・サービス(GECAS)が共同で進めています。また、需要の高まりを受け、イスラエルだけでなく、仁川国際空港のMRO企業シャープテクニクスと貨物機への改修施設の新設について合意しています。

この記事に関連するニュース
メニューを開く