KC-135ストラトタンカー20機、エレファントウォークから全機5分で離陸

KC-135ストラトタンカー20機、エレファントウォークから全機5分で離陸

ニュース画像 1枚目:KC-135ストラトタンカー20機が離陸
© U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Lawrence Sena
KC-135ストラトタンカー20機が離陸

フェアチャイルド空軍基地に所在する第92空中給油航空団(92 ARW)は2021年9月29日(水)、KC-135ストラトタンカー20機によるエレファントウォークからミニマム・インターバル・テイクオフ(MITO)を実施しました。この演習で、同基地のMITO史上最大機数のKC-135、20機が離陸しました。1機目が10時6分に離陸、20機目は10時11分と、およそ5分で20機と、15秒に1機のペースで1本の滑走路から各機が離陸しました。

ニュース画像 1枚目:KC-135、18機が滑走路をタキシング
© U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Dustin Mullen
KC-135、18機が滑走路をタキシング

MITOは、爆撃機または空中給油機を12〜15秒でスクランブル発進するアメリカ空軍の運用です。多数の機体がほぼ同時間帯に離陸することから、離陸前はエレファントウォークを実施します。

この離陸手法は、冷戦時代は核攻撃を受けることを想定、現在もこうした基地被害を想定し、短時間で多くの機体をエアボーンさせ被害を最小限に止めることも想定した訓練です。MITO実施時は危険も伴い、前方の機体の離陸後に発生する渦状の空気流によるスリップストリームが発生する中、短い間隔で安全に離陸する必要があります。

ニュース画像 2枚目:離陸するKC-135ストラトタンカー
© U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Dustin Mullen
離陸するKC-135ストラトタンカー

さらに、MITOでは整備部隊の協力も不可欠です。今回、フェアチャイルド基地の整備部隊の運用能力の検証も演習の課題の1つでした。実際に機体を離陸させ、その準備段階から帰還後までを含め、65年以上使われている機体の耐空性を確保し、24時間体制で勤務する整備部隊の習熟度が確認されました。KC-135を1機離陸させるため、整備士20名によるチームが対応するため、20機のMITOは、基地全体の整備部隊の能力が試されます。

ニュース画像 3枚目:整備士の的確な作業はMITO実施には不可欠
© U.S. Air Force photo by Senior Airman Ryan Gomez
整備士の的確な作業はMITO実施には不可欠

なお、フェアチャイルド空軍基地のKC-135は今後、KC-46Aの配備基地の候補となっています。フェアチャイルド空軍基地とマクディール空軍基地のいずれかに配備されている現役のKC-135が、KC-46Aの24機に更新される計画です。

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