運輸安全委、2015年ホンダエアポート事故で報告書 本田航空は再発防止策

運輸安全委、2015年ホンダエアポート事故で報告書 本田航空は再発防止策

運輸安全委員会は2017年5月25日(木)、2015年9月22日(火)にホンダエアポートで発生した着陸時の機体損傷事故の報告書を公表しました。この事故は、本田航空のセスナ172Sの機体記号(レジ)「JA31HA」で操縦練習生が単独飛行で操縦練習中に発生したものです。機体は中破したものの、火災は発生していません。

報告書で事故は、着陸時に落着した後にバウンド、さらに前脚から強く再接地したこと、その反動と復行操作により尾部が滑走路に接触し、より機体を損傷したとみています。着陸時の落着は、操縦練習生が返し操作の開始高度が少し高いと感じていたものの、落着を防止する復行を行うことなく返し操作を継続したことで発生した可能性が高いとしています。

返し操作を継続した行為は、着陸操作を安全かつ安定して行える技量レベルではなかった可能性を指摘し、本田航空で操縦練習生の技量管理が適切に行われず、当該の操縦練習生の操縦技量は単独飛行技量認定基準を満たしていなかったもの、単独飛行の操縦練習を許可し、監督者のモニター、指示の方法が不十分で、事故を招いた可能性が考えられるとしています。

これを受け、本田航空はゴーアラウンドポリシーについて訓練生の理解度を確認するチェックリストを新たに作成し、実践しているほか、単独飛行の監督要領を改訂したほか、教官任用訓練、審査規則も改訂しています。また、日常評価表の運用要領も新たに設け、担当教官が記載した内容を当該コースの主任教官などが確認したり、低評価が連続した場合にはその経緯の記載や情報共有と教育方針への反映などが実施されています。

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