2018年の航空事故15件、死者556名 前年から悪化も安全性は向上

2018年の航空事故15件、死者556名 前年から悪化も安全性は向上

世界の航空事故データを収集、公表するアビエーション・セイフティ・ネットワーク(ASN)は2019年1月1日(火)、2018年の死亡者が伴う航空事故は15件、死者数は556名とのまとめを公表しました。2018年の総評として、過去5年間の平均より悪いものの、全体の安全性は向上していると分析しています。

発生した事故の中でも2018年10月にインドネシアの格安航空会社ライオン・エアが最新鋭の737-8-MAXが墜落し、搭乗していた189名が全員死亡する衝撃的な事案が発生しました。スイスではユンカース、南アフリカではコンベアと旧式の機材での事故も含まれています。メーカー別ではボーイングが5件、セスナとアントノフ、チェコのLETがそれぞれ2機、ATRとボンバルディアが1機ずつです。

2017年は墜落事故10件、死者44名と航空史上最も安全な年であった反動から、事故件数、死者数共に増加していますが、全世界で3,780万フライトが運航されている中、死亡事故発生率は252万フライトに1度の割合で、2017年、2015年に続く過去3番目に低い事故発生率でした。

上記の事故として含まれるフライトの条件は、旅客、貨物便の商用運航、かつ14名以上を輸送していることが条件です。アルジェリア空軍のIL-76輸送機墜落による257名死亡事故は軍用機輸送のため含まれておらず、軍用輸送機を含めると、事故は25件、死者数は917名です。

ASNは、事故発生率が10年前と同水準の場合、2018年は39件の死亡事故が発生していたと推計され、過去20年間に安全性は大きく進歩していると指摘しています。さらに、過去5年間の事故の特徴として、25件の死亡事故のうち10件は制御不能が事故の要因となっており、安全性の向上に向けた取り組むポイントを示唆しています。

■ASN 2018年の航空事故と死亡者数まとめ
2月11日(日)
 サラトフ・エアラインズ、71名
 An-148-100B「RA-61704」
2月18日(日)
 イラン・アーセマーン航空、66名
 ATR 72-200「EP-ATS」
3月12日(月)
 US-バングラ・エアラインズ、51名
 DHC-8-400Q「S2-AGU」
4月17日(火)
 サウスウェスト航空、1名
 737-700「N772SW」
5月16日(水)
 マカルーエア、2名
 208Bグランド・キャラバン
5月18日(金)
 グローバル・エア/クバーナ運航、112名 
 737-200「XA-UHZ」
6月5日(火)
 フライ・サックス、10名
 208Bグランド・キャラバン
6月24日(日)
 イーグル・エア、4名
 L-410UVP
7月10日(火)
 ロボスレイル、1名
 CV-340「ZS-BRV」
8月4日(土)
 JUエア、20名
 Ju 52/3mg4e「HB-HOT」
9月9日(日)
 スラバー、20名
 L-410UVP「UR-TWO」
9月28日(金)
 ニューギニア航空、1名
 737-800「P2-PXE」
10月29日(月)
 ライオン・エア、189名
 737-8-MAX「PK-LQP」
11月9日(金)
 フライ・ジャマイカ、1名
 757-200「N524AT」
12月20日(木)
 ゴマエア、7名
 An-26B「9S-AGB」
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