シンガポール空軍、A330 MRTTでFOC宣言

シンガポール空軍、A330 MRTTでFOC宣言

ニュース画像 1枚目:シンガポール空軍、A330 MRTT
© Government of Singapore
シンガポール空軍、A330 MRTT

シンガポール空軍は2021年4月20日(火)、A330マルチロール空中給油・輸送機(MRTT)の完全作戦能力(FOC:Full Operational Capability)を宣言しました。

このFOC宣言は、シンガポール空軍がA330 MRTTを使い、戦闘機への空対空給油(AAR)を実施しながら、貨物と乗員輸送を同時に対応する任務を支障なく対応する能力を備えたことを表します。A330 MRTTは、RSAFの国際的な人道支援・災害救援(HADR)任務、平和支援活動(PSO)に参加する能力向上にもつながります。

シンガポール空軍のA330 MRTTは貨物輸送で37トン、人員輸送で266名を搭載できます。空中給油はプローブアンドドローグ、フライングブームの2形式に対応し、搭載燃料は最大111トンです。他の航空機への給油だけでなく、他の空中給油機から燃料給油を受けることも可能で、長時間の滞空任務にも対応できます。また、HADR任務などの際は、重傷者などの輸送に対応するため医療設備の搭載も可能です。

初号機は2018年8月に納入され、9月1日(土)のシンガポール空軍50周年パレードにあわせて記念塗装機がお披露目されていました。シンガポール空軍のA330 MRTTは、機体構造に変更が加えられて空力が改善し燃料消費が以前より1%減少した仕様で、軍用アビオニクスもアップグレードされています。初号機を含め2018年に2機、2019年に2機、2020年と2021年に1機ずつ、計6機が導入されています。

導入が進む期間、エアバスとシンガポール政府は「SMART MRTT」の開発協力で合意。これにより、自動空中給油(Automatic Air-to-Air refuelling:A3R)機能やメンテナンス・ソリューションなどの開発と搭載を目指すプログラムをシンガポール空軍はエアバスに協力しました。

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