SH-60Kベースの回転翼哨戒機・能力向上型、飛行試験を開始

SH-60Kベースの回転翼哨戒機・能力向上型、飛行試験を開始

ニュース画像 1枚目:SH-60K 回転翼哨戒機・能力向上型
© 防衛省
SH-60K 回転翼哨戒機・能力向上型

防衛省は、海上自衛隊のSH-60K哨戒機の能力向上型の開発で2021年5月12日(水)以降、試作機の飛行試験を実施します。飛行は、製造会社の三菱重工業が所在する愛知県の県営名古屋空港周辺空域で実施されます。機体の細部設計、開発装備品の細部設計・製造と飛行試験機の製造を終え、地上での確認作業を全て終了したことが三菱重工から防衛省に報告されています。

回転翼哨戒機・能力向上型は、潜水艦の静粛化・ステルス化に対応し、浅海域を含む日本周辺海域で対潜戦の優位性確保と、海賊対処を含む日本周辺での各種事案に対応できる能力獲得が目的です。

開発事業は2015年度から2020年度までの装備品を含む飛行試験機の試作段階を終え、2020年度から2022年度にかけて技術・実用試験が実施される計画です。今回の初飛行を皮切りに、開発・搭載される電子機器や地上との連携などの技術・実用試験が本格化します。

この試作機は防衛省へ納入された後、海上自衛隊厚木航空基地で性能確認試験が実施される予定です。性能確認試験は2機で、2021年度から2023年度に実施します。厚木では2日から3日に1回の頻度で飛行する予定で、日中時間帯のおよそ3時間程度で実施する計画です。厚木基地が性能確認試験を実施する理由は、SH-60Kの後方支援能力があり、艦艇配備先の横須賀基地に近いことなどが挙げられています。

■試験機 回転翼哨戒機(能力向上型)
<主要諸元>
全長(m):19.8m
全幅(m):16.4m
全高(m):5.4m
エンジンT700-IHI-401C2、2基
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