三菱重工など、MRJの完成機事業で防衛要員などエキスパート補強

三菱重工など、MRJの完成機事業で防衛要員などエキスパート補強

ニュース画像 1枚目:三菱重工 中期経営計画 2015事業計画推進状況
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三菱重工 中期経営計画 2015事業計画推進状況

三菱重工業は2016年2月4日(木)、2015年度から2017年度までの3カ年の「中期経営計画(2015事業計画)」の推進状況を発表しました。三菱重工全体では2015年の事業計画は達成としていますが、「交通・輸送」ドメインでは一部の売上計上時期の見直しなどをおこなっています。

このうち、MRJ事業では、2015年12月24日(木)に発表した量産初号機の納入時期を2017年第2四半期から2018年第2四半期とおよそ1年程度、開発期間を延長したことに伴う対策を明らかにしています。1年延期に伴う累積損失、未回収投下資本の増加で最大損失の増加、黒字化遅れリスクが生じています。

これに対し、防衛要員との交流、国内他社からも人財補強を実施するといった航空機開発エキスパートの補強を行い、完成機事業を担う人財を三菱航空機に集約します。また、三菱航空機が発表している通り、愛知県の本社、シアトル、モーゼスレイクの3拠点の役割と体制構築を通じ、開発促進と効率化を適切に進めます。

本格事業展開の準備と事業強化にも取り組みます。2016年中は量産準備体制を整えるもので、小牧南新工場を3月竣工を予定しており、最終組立工場を完成させます。また、小物部品製造や尾翼組立を担う松坂工場は6月から7月に竣工します。

さらに、2018年ごろに飛鳥工場のレイアウト刷新を完了し、神戸造船所の主翼備品一環製造、小牧市でのグローバル・ロジスティクス・センターの稼動、さらに北九州空港で量産機の試験飛行を行っていきます。量産化では2019年度にも月産機数の引き上げをめざしています。

量産化とあわせ、カスタマーサポート体制をローンチカスタマーと連携し、構築する方針です。マニュアルは2016年末から2017年にかけてフェーズ2を発行するほか、2016年度に訓練センターを着工、2017年度の完成後は整備訓練を開始し、2018年にもパイロット訓練を開始します。このほか、2016年度中にスペアパーツの物流パートナー、機体整備のパートナーを選定します。

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