三菱重工と三菱航空機、MRJ量産初号機の納入 「2020年半ば」に変更

三菱重工と三菱航空機、MRJ量産初号機の納入 「2020年半ば」に変更

ニュース画像 1枚目:ANA塗装のMRJ
© 三菱航空機
ANA塗装のMRJ

三菱重工業、三菱航空機は2017年1月23日、開発を進めているジェット機「MRJ」の量産初号機となる全日空(ANA)への引き渡しを2018年半ばから、2020年半ばに変更することを正式に発表しました。初号機納入時期の変更は今回で5度目となり、事業化決定時の初号機引き渡しの2013年目標からおおよそ7年以上の遅れとなります。三菱重工の宮永CEOが発表しました。

三菱重工は、2016年11月28日(月)付でCEO直轄の「MRJ事業推進委員会」を設置し、三菱航空機とともにMRJ開発促進のための協議を進めてきました。 今回の遅延は、装備品の配置変更を実施するほか、電気配線全体を最新の安全性適合基準を満たす設計への変更を決定したもので、機体性能や燃費効率、各種システムの機能性に影響を与えるものでは無いとしています。

今回の設計変更は、機体構造の変更を伴う変更ではなく、150%負荷による静強度試験を既に完了しています。アメリカで実施する飛行試験機3機については、型式証明取得に向けた飛行データの収集を継続します。

また、長期的な事業性の確保については、「MRJ事業推進委員会」の直轄下で小牧を拠点とする「MRJ開発チーム」に加え、大江に「将来差別化技術開発チーム」を設け、開発を進めるモーゼスレイク、シアトルエンジニアリングセンターとも情報交換を進めながら、MRJのメリットを見いだします。

三菱重工は、MRJ事業について、今後20年は機数で約2倍、年率4%の成長という長期的に拡大基調にある事業で、長期開発育成型ビジネスであることから三菱重工グループ全体が培ってきた技術力と事業力を最大限に活用し、民間完成機産業に新たな価値を付加したいとの考えです。

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