ボーイングは、アメリカ航空宇宙局(NASA)と開発を進める研究機「X-66A型機」の風洞実験の様子を公開しました。実機での初飛行を前に、小型モデルを使用した実験を行っています。実験は順調とのことで、未来の翼の実現に一歩近づいた形となります。
同機はMD-90型機を元に、「遷音速トラス支持翼(Transonic Truss-Braced Wing、TTBW)」と呼ばれる新型の主翼を採用。長い主翼を支柱で支える新しい形状で、空力性能を大幅に向上させています。マッハ1前後の遷音速での飛行に加えて、現代の航空機よりも燃費とCO2の排出量を30%削減することを目指しています。
飛行予定の機体改造も並行して進んでおり、今回の実験結果が生かされることになります。改造予定の機体は2機あり、「N930TB」はデルタ航空、「N931TB」は中国北方航空・中国南方航空・デルタ航空で運航されていた機齢25年前後の機体。初飛行はカリフォルニア州エドワーズ空軍基地にある「NASAアームストロング飛行研究センター」で、それぞれ2028年と2029年に予定されています。