新生エアアジア・ジャパンが描く成功プラン

新生エアアジア・ジャパンが描く成功プラン

エアアジア・ジャパンは2014年7月1日、2015年夏スケジュールの運航開始に向け、航空局へ事業許可申請などの手続きに入ることを発表しました。明確な数値目標や事業規模は示されませんでしたが、エアアジア・グループのフェルナンデスCEOが「パート1」という全日空(ANA)との共同でのエアアジア・ジャパンのスピード感、路線展開は、今回の新会社の「パート2」は上回ることが想像できそうです。

就航当初の機材数はA320の2機です。旧エアアジア・ジャパンと同じく、エアアジアが発注済みの機材をリースする形態で、新造機を導入します。2015年中に4機を揃え、その後は1年毎に5機ずつを増機し、路線展開する計画です。

拠点とする空港は発表されていませんが、近く中部国際空港(セントレア)での展開を行うと見られます。手堅いプランとしては就航する空港の幹線に展開し、安定した収益基盤を築いた上で、地方路線の展開をはかります。エアアジアは、マレーシアをはじめ、東南アジアでの展開をみると就航地を広げることが速い一方、撤退も早期の決断をしていることから、ある程度の路線展開をした上で、幅広く路線網を築く計画は東南アジアでのスピード感を日本に持ち込みたい様です。

その一方、説明会では羽田空港への就航意欲を明らかにしています。エアアジア・エックスで羽田空港に就航済みですが、国内線では羽田空港での発着枠が無いという問題に加え、現在のコスト構造ではLCCビジネスとして成立しにくいと見ていることも強くにじませています。

フェルナンデスCEOは東京近郊に羽田、成田、茨城と3空港について、LCCに適した空港が欲しいと強調し、羽田就航の意欲のみで具体的なプランの言及は避けました。また、羽田乗り入れが実現したとしても「エアアジアは日本航空(JAL)や全日空(ANA)などと全面的に競争する訳ではなく、市場そのものを拡大するものだ」とし、さらに日本が進める訪日外国人旅行者数2,000万人の目標に関連して、「エアアジア・グループの旅客数は2,100万人ほど。この全ての旅客を日本に持ってくることができる」と、日本市場のインバウンドの魅力と、1度目の失敗にも関わらず、再度、参入する期待感の大きさを説明しました。

ちなみにフェルナンデスCEOは、日本市場で成功する秘訣は「ミンミンダーハー(眠眠打破)で、JAL、ANA、ピーチ、バニラエアを打破」などとおどけてみせましたが、「低価格を提供することが鍵」と明言し、日本で成功しているユニクロなどカジュアル用品などと同じ様に、低価格の航空運賃を受け入れる素地はあるとしています。

また、就航地についても「東京、羽田だけでなく、名古屋、大阪、神戸など魅力的な場所があり、茨城も良い。出資者が、日本を熟知するパートナーが加わり、徐々にオープンになってきている日本での勝機はある」とし、ANAとの「パート1」での失敗を踏まえ、本物のエアアジア・ブランドの展開となる「パート2」は成功するとの自信を見せています。

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