A320neo初号機のロールアウト、初飛行と今後の試験内容

A320neo初号機のロールアウト、初飛行と今後の試験内容

エアバスは2014年7月1日、A320シリーズの最新型であるA320neoの初号機、製造番号「6101」を、フランスのトゥールーズ工場でロールアウトさせました。

A320neoは、エンジンを改良し、「シャークレット」と呼ばれる大型のウィングレットを装備し、従来より燃費を向上させ、二酸化炭素の排出量を削減した機体です。エンジンにはプラット・アンド・ホイットニー製のPW1100G-JM、またはCFMインターナショナル製のLEAP-1Aのどちらかを選択することができます。今回、ロールアウトした初号機の機体記号(レジ)「F-WNEO」にはPW1100G-JMが搭載されています。

A320neoの初号機 00

今後、初飛行に向けて、エアバスではこの夏から「ヴァーチャル飛行試験キャンペーン」が始まります。これはシミュレーターを使い、飛行シナリオや航空機のシステムを評価するというものです。

初飛行は2014年9月に行われる予定で、すでに機体には、ETOPS(Extended-range Twin-engine Operational Performance Standards)と呼ばれる、国際民間航空機関(ICAO)が定めた安全性基準をクリアするため、雑音や機能性、信頼性を測定する各種機器が取り付けられています。

この初号機による飛行試験の開始にあわせ、A320neoの初期開発と、飛行マニュアルの試験も始まります。順調に進めば、本格的な開発が始まり、機体の成熟度を高め、型式証明の取得に向けた作業が行われる予定です。

エアバスでは、短胴型のA319と、長胴型のA321のneo化も進められており、ゆくゆくはPW1100G-JMを搭載した2機のA320neoと1機のA319neoとA321neo、またLEAP-1Aを搭載した、同じく2機のA320neoと1機のA319neoとA321neoの、合計8機からなる「エアバスNEO飛行試験艦隊」が組織され、フライ・バイ・ワイヤ・システムの試験や、シャークレットの評価などの試験が実施されることになっています。

A320neoは現在までに、50社以上から2,700機超の発注を獲得しています。試験が順調に進めば、2015年の第4四半期頃から、航空会社への納入が始まる予定です。

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