航空局、操縦士、整備士などの養成・確保の対策費 7.3億円を要求

航空局、操縦士、整備士などの養成・確保の対策費 7.3億円を要求

国土交通省航空局は2015(平成27)年度概算要求のうち、喫緊の課題として上げられている操縦士、整備士・製造技術者の養成・確保対策費として7億3400万円を計上しました。2014年度は900万円から大幅増額で、「新しい日本のための優先課題推進枠」として設けられた予算要求項目として7億2500万円分が含まれています。

操縦士、整備士は世界的にも不足する傾向で、国産の航空機開発を進める中で製造技術者も含めて不足が見込まれています。これを乗り越え、航空ネットワークの充実を支えるため、民間養成機関の操縦士供給能力を拡充する施策、航空大学校のさらなる活用などを推進するための予算です。

特に操縦士については格安航空会社(LCC)で減便が発生する事態もあり、短期的な操縦士不足が表面化しており、さらにリージョナル航空会社でも操縦士の確保が困難になる事態となっています。減便が発生したLCCでは主力の機長が55歳以上から60歳代となっており、さらに現在の主要航空会社の主力となっている39歳から49歳も15年から20年で大量に退職する見込みです。

対策として、私立大学など民間養成機関で、量の拡大と質の確保を両立させながら、技量レベル向上のため外部教官による民間養成機関の訓練オブザーブ促進、高額な学費負担を軽減の奨学金制度の設計検討の取組などを行います。

また、航空大学校では燃料費が高騰する中での確実な訓練の確保、民間養成機関の教官に対する訓練の実施、追加訓練実施にむけた環境整備により、民間養成機関への技術支援を強化します。

航空会社の自社養成促進についても、航空会社が柔軟に訓練・審査プログラムを策
定できる「Advanced Qualification Program(AQP)」制度を導入する環境整備を進めます。AQPは技能証明取得から機長認定まで一体化した乗員の訓練・審査プログラム
を航空会社が策定するもので、個人の技能習得状況に応じ、訓練を柔軟に管理することが可能なことから効率的な操縦士の養成ができると期待されています。

さらに、航空局ではリージョナル・エアラインの操縦士、整備士の共同養成に向けた取組を進めるほか、操縦士、整備士、製造技術者の養成について海外の状況を調査し、国内に反映させる取り組みを行います。

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