マレーシア航空、路線縮小へ カザナ・ナショナルが再建策を発表

マレーシア航空、路線縮小へ カザナ・ナショナルが再建策を発表

カザナ・ナショナルは2014年8月29日付で、マレーシア航空のリカバリー・プランを発表しました。カザナの資料ではマレーシアのナジブ・ラザク首相がメッセージを寄せ、「ナショナル・フラッグキャリア」の体裁が捨てきれないようです。

このリカバリー・プランでカザナ・ナショナルは再建に向けた12項目を掲げています。再建計画は8月8日に発表された株式取得を受けたもので、2017年末までに黒字体質に再建させることが目的です。再建プランの鍵は従業員を適正規模にする「新マレーシア航空」を作り上げることとなっています。

また、発表資料ではマレーシア航空の現在の経営陣、従業員、労働組合、パートナー、サプライヤーとが協力することが不可欠としていますが、これまでもエアアジアとの提携が不調に終わるなど、再建策が実際にうまく進むか注目されるところです。

カザナ・ナショナルが発表した12の施策は、運航面ではリージョナル路線に集中するとしており、競争が激しい東南アジア路線を強化することを示唆しているようです。なお、カザナが発表した12の施策は、以下の通りです。

■カザナ・ナショナル発表のマレーシア航空再建に向けた12施策
1:現在のマレーシア航空(MAS)から、新たなマレーシア航空(新MAS)を設立し、新MASは2015年7月1日付で運航、優良資産を継承。新MASは競争力のある人員、コスト構造で運営。3年から5年で再上場をめざす。
2:最大60億マレーシアリンギット(約2,000億円)を調達。MASの上場廃止に14億マレーシアリンギット、MASの事業再編・縮小コストは16億マレーシアリンギット、新MASに30億マレーシアリンギットを投資。
3:運航モデルをよりリージョナル・ネットワーク拡充に焦点を置く。ワンワールドとのネットワーク、コードシェア提携会社との協力を保つ前提。現在の取引企業との契約条件、従業員のコスト見直しで低コスト化が前提。
4:スバン本社、運航をクアラルンプール(KLIA)に移転、ハブ空港と本社を統一。これにより、新MASは業務統合、労働条件の改善を行う。
5:IOSA認証など運航、安全性の強化
6:契約関連の見直しと再契約
7:アフマド・ジャウハリ・ヤヒヤCEOは2015年7月までMASのCEO、新MASには新たなCEOを2014年末までに選定。
8:現在の約2万人の従業員を1万4000人にまで削減。
9:労使関係の改善
10:再訓練、雇用創出、再就職を支援。退職する6,000名を対象に、カザナ・ナショナルがスバンでの訓練を支援。
11:政府支援について議会承認
12:再建状況の定期的な情報開示、2017年に再建完了、2018年から2020年に再上場

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