ターボプロップ機メーカーのATRは2023年10月11日、エンジンメーカーであるプラット・アンド・ホイットニー・カナダ(P&W)と開発中の、短距離離着陸用ATR42-600S型機用エンジン「PW127XT-L」が、カナダ運輸省からの認証を取得したと発表しました。
ATR42-600Sは、短距離離着陸性に優れたATR42型機の派生系。標準の飛行条件下において滑走路の長さが最短800mで、乗客40名を乗せて離着陸が可能な性能を持つ機種です。短距離離着陸性能を示す「STOL(Short Take-Off and Landing)」の頭文字Sが付けられています。
この改良型は、世界中にある1,000近くの空港へ新たに乗り入れ可能となります。トキエアもこの機種の導入により、2025年から滑走路長890mの佐渡空港に、2014年3月以来となる定期便を復活させる計画です。他にも、東京都の調布飛行場、新島空港、神津島空港、長崎県や沖縄県の離島にも滑走路長1,000m以下の空港があり、路線再開、新路線の開設に使用することができます。
ATRでは、機体製造を行うフランスを管轄する欧州航空安全機関(EASA)から、年末までに同エンジンの認証を受ける予定としています。2025年の就航に向けて、今後も開発が進められます。