日本国内で運航されていた多くの航空機たち。日本や台湾、アメリカなどで解体された機体や、次の使用者が決まり新天地で活躍を続ける機体など、さまざまです。懐かしの日本で活躍していた当時の写真と、現在世界で活躍する同一機体の一部を紹介します。
元・日本航空(JAL)機たち
◼️ エアバスA300-600R型機 「機体記号:JA016D」
2002年、当時の日本エアシステム(JAS)が受領した一番新しいA300-600Rです。2011年8月にJALから退役し、現在はイランのマーハーン航空で「EP-MMO」として活躍しています。他のA300-600Rも、多くがDHLで貨物機としてヨーロッパを中心に活躍を続けています。
◼️ ボーイング747-400BCF型機 「機体記号:JA8909」
1993年にJALが国際線用に導入しました。旅客機として活躍しましたが、2006年に貨物機へ改修、2010年12月に退役しアメリカのカリッタ エアで「N744CK」として活躍しています。現在の塗装になってからの日本飛来はありませんが、2022年にはマスクを描いた旧塗装の姿で、成田空港や横田基地へ里帰り飛来しています。
◼️ ボーイング747-400型機 「機体記号:JA8086」
1991年にJALが国際線用に導入。2010年10月の退役まで、旅客機として活躍しました。その後、エバーグリーン航空「N492EV」として導入した際に貨物機(BCF)へ改修され、2016年からはグローバル・スーパータンカー・サービシーズで「N744ST」として上空から山火事などの消火を担う機体として活躍しました。2021年からは、ナショナル・エアラインズで「N936CA」として活躍。成田空港や中部国際空港、横田基地などへ多く里帰り飛来を果たしています。
◼️ ボーイング737-800型機 「機体記号:JA325J」
2009年にJALエクスプレスが導入しました。2021年12月にJALから退役し、2022年3月から、アフリカのスーダンを拠点とするターコー・アビエーションで「ST-TAA」として活躍しています。
他にも、2007年から2021年まで国内線で活躍したボーイング777-200型機「機体記号:JA773J」が、ナイジェリアのマックス・エアで「5N-BBN」として活躍。2002年から2023年まで国際線を中心に活躍したボーイング777-200ER型機「JA701J」が、リビアのガダミス・エア・トランスポートで「5A-GRS」として運航されています。
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元・全日本空輸(ANA)機たち
◼️ ボーイング747-400型機 「機体記号:JA404A」
1999年にANAが国際線用に導入しました。2007年4月の退役後は、オアシス香港航空で「B-LFC」として運航後、同社の経営破綻に伴い2010年からはアメリカのアトラス航空で「N263SG」として活躍しています。旅客型として活躍を続けており、同様の経歴を辿った「JA405A (現N322SG)」と共に、日本へもチャーター便などで里帰りしています。
◼️ ボーイング747-400D型機 「機体記号:JA402A」
1998年から2003年までANAの国際線機材として活躍後、ウィングレットを取り外し国内線用(747-400D)へ改修された機体です。2007年の退役後、ウィングレットを再び取り付けて貨物機(BCF)へ改修し、揚子江快運航空で活躍。2017年から金鵬航空で「B-LFC」として活躍しています。
◼️ エアバスA320-200型機 「機体記号:JA02VA」
2013年にバニラエアが導入した機体で、2020年1月から2021年12月までの短期間のみANAで活躍しました。アメリカのLCC、アレジアント・エアで「N209NV」として活躍しています。
◼️ ボンバルディアDHC-8-300型機 「機体記号:JA804K」
2003年にエアーニッポンネットワークが導入。カラフルな塗装やANA塗装を纏い、2014年5月までANAウイングスで活躍しました。2015年からはモルディビアンで「8Q-IAR」として活躍しています。
元・スカイマーク機たち
◼️ ボーイング767-300ER型機 「機体記号:JA767E」
スカイマークが2004年から2007年まで運用した機体です。導入時はすでに、ロイヤルブルネイ航空などで運用されていた中古機でした。ロシアのノードウィンド航空などを経て、2016年からは南米ボリビアのボリビアーナ航空で「CP-3017」として活躍。新たにウィングレットが取り付けられています。
◼️ ボーイング737-800型機 「機体記号:JA737H」
スカイマークが2015年12月に、日本で初めて737-800を導入した同機。約8年間活躍し、2015年12月に退役しました。ウィングレットが新たに装着され、ヨーロッパのプリメーラで2018年まで運航。2019年からは、イギリスのジェット・ツーで「G-DRTU」として活躍を続けています。
◼️ ボーイング737-800型機 「機体記号:JA737P」
スカイマークが2008年から2015年末まで運用。ウィングレットが装着され、トルコのコレンドン・エアラインズで「TC-TJU」として活躍しています。他社へウェットリースされたことや、オランダ・アムステルダム拠点のコレンドン・ダッチ・エアラインズでの運用経験もありますが、基本的にはトルコを拠点にリゾート路線などへ投入されています。
◼️ ボーイング737-800型機 「機体記号:JA737M」
スカイマークが2006年から2014年まで運用。ウィングレットが装着され、韓国のチェジュ航空で2022年まで活躍し、日本各地の空港へも多く里帰りしていました。2023年10月には、貨物機へ改修(BCF)されて中国の中州航空で「B-223R」として活躍。すでに貨物便として成田空港へ飛来しています。
スカイマークの737-800は他にも、貨物機へ改修された中州航空「B-223J (元JA737L)」や、旅客型のまま活躍を続ける韓国のティーウェイ航空「HL8000 (元JA737K)」、フライボンディ「LV-KGN (元JA73NB)」、チェジュ航空「HL8034 (元JA73NH)」があります。
◼️ エアバスA330-300型機 「機体記号:JA330A」
スカイマークが2014年から約1年間のみ運用した5機のA330。退役後はエア・ヨーロッパなどで主に運航されていましたが、現在はうち4機のみ「JA330A・JA330B・JA330D・JA330E」が、ターキッシュ・エアラインズで「TC-LOA・TC-LOB・TC-LOC・TC-LOD」として運航されています。座席は交換されていますが、客室内の日本をイメージした壁紙などはそのまま使用されている模様です。
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元・ソラシドエア機
◼️ ボーイング737-400型機 「機体記号:JA737A」
1998年製造の機体で、スカイネットアジア航空(現ソラシドエア)が2002年から2014年まで運航。その後、貨物機へ改修されてタイのKマイル エアで「HS-KMB」として、現在も貨物便に投入されています。他にも、貨物機へ改修されてKマイル エアで「HS-KMA (元JA737F)」、スペインのスウィフト・エア「EC-MIE (元JA737E)」で活躍している機体があります。
以上、一部の世界で活躍する“元JA籍”たちを紹介しました。今後、遠く海外の地で活躍する姿を旅行などの際に眺めたり、里帰りで日本の空港へ飛来する姿を楽しみたいですね。