朝鮮戦争の英雄でベトナム戦争の捕虜、88歳で亡くなる

朝鮮戦争の英雄でベトナム戦争の捕虜、88歳で亡くなる

アメリカ空軍は2013年10月22日、ロビンソン"ロビー"ライズナー退役准将が88歳で亡くなったと伝えています。

ライズナー氏は1943年4月にアメリカ陸軍航空隊に入隊し、1944年5月にウイングマークを取得しました。朝鮮戦争では第366戦闘要撃飛行隊(366FIS)でF-86セイバーに乗り、8機のMiG-15を撃墜するジェット・エースになりました。

1957年には、リンドバーグが33時間30分かけて飛んだニューヨーク/パリの同じ経路を、F-100スーパーセイバーを使い6時間38分で飛行して記録を樹立しました。

1964年には、F-105サンダーチーフを装備する第67戦術戦闘飛行隊(67TFS)隊長として、嘉手納基地に配属されたこともあります。

ベトナム戦争では、1965年3月16日に「ローリングサンダー」作戦を指揮して飛行中、対空火器に撃たれトンキン湾に脱出、救助されました。このころライズナー氏は5回出撃して4回撃たれたと話しており、この勇気が称えられシルバースター勲章を授章しました。TIME誌はライズナー氏を表紙に特集記事を掲載しました。

その後、1965年9月16日にベトナムで作戦中に再び撃墜され、このときは北ベトナムの捕虜となってしまいました。TIME誌の表紙にもなったアメリカの英雄であることから拷問や虐待は厳しかったものの、捕虜の中で最上位の士官である立場を守り、1973年2月にアメリカへ帰国しました。

帰国後も空軍の要職を務め、1976年8月に退役しました。ベトナムで捕虜となった多くの兵士が「ライズナーのおかげで帰国できた」と証言しており、空軍士官学校に銅像が飾られています。

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