航空局、安全情報の自発報告制度の運用開始 ATECが独立して運営

航空局、安全情報の自発報告制度の運用開始 ATECが独立して運営

国土交通省航空局は2014年7月10日、航空安全情報自発報告制度、略称「VOICES」の運用を開始しました。航空の安全性の向上を目的として、特定の分野に限らず官民の航空活動に直接携わる方、組織から「ヒヤリ・ハット経験」を自発的に報告してもらい、専門家の分析を経て、関係者と共有される制度です。この仕組みにより、航空事故などの予防的対策に役立てられます。制度運営は、公益財団法人航空輸送技術研究センター(ATEC)が、独立して行います。

この制度は、航空関係事業者が自発的に安全情報を報告することを促すため、航空局が報告者へ不利益処分などを行う懸念を排除する必要があるため、ATECが独立して運営する体制となっています。このため、ATECは収集した安全情報は、個人、会社名などが特定されないよう秘匿化し、分析を行った上で、航空局へ安全対策などの提言を行います。

なお、民間航空の安全については、事故の再発防止を目的に、航空事故、事故のおそれのある事態、その他の安全上の支障を及ぼす事態が発生した場合、いわゆる重大インシデントなどについて事業者は国へ報告する義務があります。今回の自発的な報告制度は、国際民間航空条約を締結する国で、義務報告制度で捕捉しにくい安全情報を収集、分析、関係者と共有する仕組みの確立が求められていることに対応したものです。

報告は電子メール、FAX、電話、郵送、航空安全情報自発報告サイトなどから報告し、分析担当者が受理の可否を判断、必要によりヒアリングを行うなど内容を確定した上で、秘匿化後に大型機の管制・運航、小型機の管制・運航、空港・客室・航空機の3部門で事象の要因・原因の分析し、ATECが設置するホームページを通じて、注意喚起、改善提案、関係情報の提供などを行います。

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