2018年版消防白書、特集に「消防防災ヘリの安全運航体制の強化」

2018年版消防白書、特集に「消防防災ヘリの安全運航体制の強化」

総務省消防庁は2019年2月8日(金)、「平成30年版消防白書」を公表しました。これによると、全国に配備されている消防防災ヘリコプターは計75機です。

保有機の内訳は、消防庁が5機で東京消防庁、京都市消防局、埼玉、宮城、高知に貸与されており、消防機関保有が31機、道県保有が38機、長野県のリース機が1機、計75機です。ヘリコプターの配備がない未配備県域は、佐賀県と沖縄県の2県域は変わらないものの、2018年8月に発生した群馬県防災ヘリコプターの墜落で群馬県も未配備となっています。

2017年の出動実績は6,752件で前年からは240件減少しました。2016年は6,992件、2015年は6,842件、2014年は7,061件です。出動の内訳は、救急3,370件、救助2,028件、火災1,110件、情報収集・輸送244件です。総運航時間は18,762時間で、内訳は災害出動が5,652時間で30%、訓練出動が10,621時間で57%、その他業務が2,489時間で13%です。

「平成30年版消防白書」では特集に「消防防災ヘリコプターの安全運航体制の強化」を組み、群馬県防災ヘリコプター「はるな」の墜落、さらに2017年3月に発生した長野県消防防災ヘリコプターの墜落をあげ、特に2009年以降に4件の消防防災ヘリコプターの墜落が発生し、憂慮すべき事態と指摘しています。

消防庁は「消防防災ヘリコプターの安全性向上・充実強化に関する検討会」を開催し、安全性の向上策としてヘリコプター動態管理システムの常時起動・通信間隔短縮による地上側からの監視体制を強化、ヒヤリ・ハット事例の蓄積や共有化を消防庁で検討すること、出動前ミーティングの徹底や部隊内の意思疎通を強化、2人操縦体制の導入により運航の安全を確保すること、フライトレコーダー・ボイスレコーダーを機体更新時に搭載することなどを指摘し、実機で実施が困難な緊急操作の訓練などはシミュレーターを活用した訓練を進めるよう、国の財政措置、配備のあり方を検討しています。

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